暁 〜小説投稿サイト〜
26歳会社員をSAOにぶち込んで見た。
第九話 Cooreat
[10/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
も、人が無意識に罪の意識を持っているお陰で成り立っている。
あくまでも保守的に、あくまでも今までの全てが大事すぎて。
しかし、それで行動を起こさず、人と争うことをやめた人間は、ゆっくりゆっくり、腐っていくんだ。
『ここでいいや』『これまででいいか』『ここまでくれば十分だ』『別にもうこれでいい』『まぁこんなもんだろう』
そんな言葉を並べて、浮かべて、言い訳して、結局、自らが折れる。 自らが作った重みに耐え切れずにね。
じゃあ問おう。 君は、ここまででいいのかな?」
 いいわけ……ない!
 監督を見返すために……僕はっ……!
 しかし、けど……けどっ……!
 彼女らの言う、『そんなこと』は、僕には出来ない……!
 苦悩していると、再び、別な声。
 それは、男性の声だった。
「女性陣は中々厳しいことを言うよね。 まぁ気にすることはないよ。
君は君のやり方でいけばいい。 所詮そこまででいることも、ある意味君らしさなんだから。
上がりもせず、下がりもしない。 きっと君はそこにいるべき人間なんだよ」
 あくまでも、柔らかい物腰で。
 それでいて、確実に、僕の中の何かを削り取るその言葉に。
 僕の中で、何かがちぎれた。
「違う……! 僕は、ここで終わりたくない! 終われない!」
 右手で机を叩き、感情が露になっていく。
 この感覚……久しぶりだ。
 自分を、解放した、この感触。
「まぁまぁ、そこまで言うなら、自分の道を貫き通した方がいいんじゃないかな?
それに君はその方が似合ってるよ。 自分の意見を言うのに、自分を偽る必要なんか、演じる必要なんかないんだから」
 そうだ……これが、僕だ。
 幾ら善人ぶっても、幾ら演じても……。
 芯にある、その目的だけは、偽ることなんかできやしない。
「君が本当に見たいことは知ってるよ。 それを躊躇う必要はないんだ。
そのために、君はこのゲームをやっている。 その目的を見失っちゃいけないよ」
 そう言うと、男性は優しく微笑み、僕の肩をポンと叩いた。
 そうだ……忘れていた。
 これはゲームで、人の表情、感情を知ることが僕の目的なんだ。
 そのために偽り、演じてきた。
 だから……これまでの努力を、苦悩を無にしないためにも。
 次のステップに、進む時なんだ。
 戦わなければ生き残れない。 人を下さねば上へは行けない。
 一度得たものを壊す覚悟でなければ、先へは進めない。
 これは合法で、これは必然で、これは目的のための過程だ。
 善も悪もない。
 ただ、これは僕のエゴイズムなんだ。
「……覚悟は決まったまったようだな」
 最後に、紺色の髪の女性がそう口にすると。
 紅色の髪の女性と、少女が薄ら笑みを浮かべた後。
 同時に、こちらに手を向けてきた。
「「よ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ