暁 〜小説投稿サイト〜
26歳会社員をSAOにぶち込んで見た。
第九話 Cooreat
[9/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
夢、人類の未来は、こんなに素晴らしいゲームを生み出してくれました」
 …………僕は。
 違う、違う……! そんなことをやるつもりなんか……!
「お兄さん。 いいことを教えてあげましょう。 人の性は。 結局、何処まで行っても争いです。
競争社会。 格差社会。 技術の裏に常に潜む殺傷性。 上へ上がるには誰かを下さなければいけない。
自分の地位を維持するためにも、努力や根性論なんて綺麗事を言っても、結局は人との競争。
より優れた人種になる人間は、ソレ相応に多くの人を下してきた人間です」
 心の中で、必死に否定するも。
 ただ、少女の言葉が脳内へと響く。
 なんだ……なんなんだ……。
 目の前の、この少女は……。
 君は……誰だ!?
「戦わなければ、生き残れません。 人を下さねば、次のステップに上がれません」
 そんな言葉とは裏腹に、少女の顔は、終始笑顔で。
 声のトーンは、不気味なほどに明るかった。
 戦わなければ……生き残れない……。
 人を下さねば……上へと行けない……!
 グラスを握る手が震える。
 そんなこと……許されるわけないんだ……。
 そう思っていると、紅色の髪の毛の女性が口を開けた。
「なぁ青年。 日本は法治国家だ。 人を殺めることは決して許されることじゃない。 それは罪で、いずれ罰が訪れる。
しかしSAO、アインクラッドはどうだ? 確かにそれは罪で、オレンジという名の罰が訪れる。
けれど、本当にいけないことなら、PKなんてものはないハズだ。 本当の罪ならば、存在していいはずがない。
このアインクラッドは、それが出来る。 罰を無くすことも出来る。 同属が同属を殺めることは、どの時代でも、どの種族でもやってきた。
人は何故気づかないのか。 人は何故疑わないのか。 罪があるというのは人だけだということに」
「……ッ! 当然だろう。 それが人間である証明だ、人が人である証なんだ!」
 喉から絞るようにして、ようやく反論できた言葉がこれだ。
 しかし、女性は一向に表情を変えず。
 ただ、薄ら笑みを浮かべながら。
「それは自分が殺されたくない人間がでっち上げた言い訳にすぎないよ。
人も動物の一部で、自然の一部なんだ。 この世の理は弱肉強食。 勝利を重ねた者のみだけが生き残ることが出来る。
人が何事にも序列をつけたがるのはそれの表れだ。 私はリアルで中学校教師をやっていたがね、ゆとり教育の考え方には賛同できなかったよ。
あれを試しに導入したら、クラス全体の成績が著しく下がったからね」
 脳裏に響く、その凛とした声。
 鼓膜が震える旅に、脳が揺れる。
 僕の考えは……間違っているのか?
「青年、君が否定したい気持ちもわかる。 今の世の中は、とても住みやすくなった。
アインクラッドも、リアル
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ