暁 〜小説投稿サイト〜
26歳会社員をSAOにぶち込んで見た。
第九話 Cooreat
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 正直、ギルドの活動の方がまだみんなの新しい表情が見られる。
 けれど今まで築いてきたものが大きすぎて、壊すことが出来ない。
 苛立つジレンマを、表に出せないまま、僕はただ狩っている。
 気がつけば、今日の狩りももう終わり。
 アルスがシャムとスラムとフレンド登録をし、明日からこのPTで狩ろうと提案している。
 僕はそれに異論はないし、それで構わないと言って、アルス達と別れた。
 本当はギルドに顔を出そうと思っていたけど、ちょっと今日はそんな気分じゃない。
 寧ろ、今、僕の横についてきている彼女を、どう放すかだ。
「クーレイト様。 この後のご予定は?」
「ああ、ごめん。 ちょっと僕一人で行く用事があってね。 悪いけど今日はここで解散しようか」
「……………………わかりました」
 長い沈黙の後。
 ようやく、彼女が去り、フリーになれる。
 ……正直、彼女にも迷惑している。
 別に僕らは付き合っているわけでもないし、僕は彼女をそういう対象として見てない。
 秘書にした覚えもないし、勝手についてきているだけだ。
 悪い気はしないけど、常に付きまとわれるのはどうかと思う。
 宿では部屋に鍵をかけて入ってこれないようにはしているけど……。
 ストーカーされていると思うと気味が悪い。
 本人曰く、僕のファンらしいけど……。
 いや、もう忘れよう。
 今、僕はようやくフリーになれたんだ。
 少し、人気の無い酒場でも見つけて飲むことにしよう……。
 そう思いながら歩いていると、丁度、人気の無い通りで酒場を見つけた。
 初めて見る店だけど、まぁいいか……。
「ごめんくださーい」
 挨拶をしながらドアを開けると、店内には、女性が三人。 それと、男性一人。
 一人は、紅色の髪の毛の長い女性。
 もう一人は、紺色の、セミロングの髪型の女性。
 最後に、まだ年端の行かぬ少女。
 男性の方は、眼鏡をかけ、黒と金の軍服のようなものを着た真面目そうな印象を受ける。
「やぁ、いらっしゃい。 お客さん見ない顔だね。 もしかしてアレかな? 初めて?」
 男性が柔らかな物腰でそう口にし。
 僕は、それに軽く会釈をして、挨拶を返す。
「どうも。 初めてです。 ちょっと、知り合いがいない店で飲みたくて……」
 僕の言葉を聞くなり、紅色の髪をした女性は、クスクスと笑って。
「成る程。 お忍び、とかそういうことなのかな? 安心していい。 この店の存在を知る人間はあまり多くはないからね。
知り合いに会うことはまずないだろうさ」
 そう言って、彼女はカウンターの奥から酒瓶とグラスを取り出し、僕の目の前にゆっくりと置いた。
「とりあえずこれは初めて、ということでお近づきの印の奢りだよ。 ウチのオリジナルでね。 飲み易くはしてあるつもり
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