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アラガミになった訳だが……どうしよう
夫になった訳だが……どうしよう?
50話
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それにしては妙に細いような気がするが……
「伏せて!!」
突然ジルが叫び、俺は反射的にその指示に従った。俺が伏せるのと同時に何かが俺の頭上を通り、俺の背後にあった森に木々に小さな穴を空けた。
ふむ……穴の空いた木に目を凝らすと、貫通した穴の周りに僅かだが水滴が付いていた。どうやら水鉄砲の魔改造版もといウォーターカッターと呼ばれる物を、あのアラガミはこちらに打ち込んだようだな。
木々の様子からアラガミの攻撃にしては貫通力は大したものではないが、如何せん向こうはこの広大な海の全て弾薬なのだ。連射性能や照射時間がどの程度かは分からないが、その辺りが優れているなら少々厄介なことになるな。
「それで、あのアラガミをあなたと私でどうにかできると思っているんですか?神機がなければアラガミを倒す事は出来ませんよ?」
「神機ねぇ……ジル、お前は神機は何を使うんだ?」
「さぁ?使う前にこの様ですからね。あの女のせいで神機を振るう前にアラガミ化ですよ……全く、思い出すのも不愉快です。私を不愉快にした責任を取って下さい、マキナさん」
「……はぁ、じゃあ何が使いたい?」
「そうですね、槍でしょうか?」
槍か、作るのは初めてだがやるだけやってみるさ。
人造アラガミである男神を真似れば神機のような物ならできるだろうし、神機の適合も精神世界に入る時にジルの細胞はある程度覚えたのでそれを基に作れば問題ないだろう。
用途を定め、骨組みを描き、材質を吟味し、特性を与え、性能を高め、それらをもって武器と成す。今まで何度もやってきた事だが疲れるな、これ。
とはいえ、無事完成した槍は随分と物騒なものになったな。俺がこの槍を作るにあたって重視した性能は一対一における一撃必殺だ。
ジルの技量は知らないが初めてといっていたこともあり、一撃当てられればどうにかなる性能がいいだろうと踏んだからだ。刃の部分はボルグ・カムランの尻尾を主にし、相手の体に深々と刺さるように貫通性を重視。
特性として今では使わなくなった体の内側からのコクーンメイデンの棘による攻撃、要するに俺が初めてイザナミに使ったゲイボルグと名付けたものを与えた。これがあれば、槍がある程度の深さまで刺されば胴体などのコアがある場所であればコアを破壊、手足でもその部分を潰す事ができる。
ただ、この攻撃は突き刺してから棘の攻撃まで若干のラグがあるので周囲に敵がいるのならば少々危険だ。もっとも初めて神機が複数討伐などやることなどユウのような規格外でもない限り自殺行為以外のなにものでもないので、そういった点ではさしたる欠点でもないだろう。
「ほら、ジル、これなら使えるだろ?」
俺はジルのすぐ横に槍を投げて、地面に突き立てることで彼女に槍を渡す。まだあの海にいるアラガミがこちらを狙っている状態で立ち上がりた
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