夫になった訳だが……どうしよう?
50話
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眠気のようなものを感じてからしばらくすると視界が再びはっきりとしたものに戻ったが、景色は先程までのものとは違いここは…………孤島か?
空模様こそ曇っているもの砂浜は白く木々は生い茂り、周囲を囲む海は透き通っている。これで晴れてさえいればバカンスを楽しむのに最適とでも言えたんだがな……
そんな事を考えながら砂浜を少し歩いていると、この精神世界の主である少女が砂浜に打ち上げられていた。ふむ……砂浜に打ち上げられているということは、海に出てやられたって事なのか?
「おい、生きてるか?」
少女の隣にしゃがみ、呼吸やらが止まっていないかを確認する。胸が上下している事から呼吸はあるし海水も飲んでない、手足やらに細かい傷はあるものの大した傷はないな。
さて、想像通りにゴッドイーターの証である腕輪はあるにはあるんだが……黒と金のカラーリングという通常のゴッドイーターの赤と白の腕輪とは違う物のようだ。
加えて着ている服から察するに裕福とまではいかずとも、そこそこの暮らしはできていたのだ。白のシャツと黒のズボンは質素ではあるものの質自体はそれなりのもので、この世界でそういった服飾関係に金を使えるというのは割と裕福でなければ難しい。
そんな事を考えていると、少女はかすかに声を漏らしてからゆっくりと目を覚ました。
「あ……」
少女は俺を見るなり宙返りをして俺から距離をとった。いやはや随分と運動神経がいいのだな。
「初めまして私はジル アンダーソンと言います、あなたの名前を教えていただけませんか?」
言葉使いと口調は丁寧なんだが態度は滅茶苦茶俺を警戒して、凄い目で睨んできているな。まぁ、警戒は当然だろうしそんな中でも礼儀やらを忘れないとは結構なことじゃないか。
「ご丁寧のありがとう、俺の名前はマキナという」
「そうですか、ではマキナさん。こんないたいけな少女の体をじろじろと見ていましたが……そういった趣味をお持ちのゲス野郎ですか?」
……あ、こいつは面倒臭いタイプだ。
「一応言っておくが俺はそういう趣味は持ち合わせていないし、そもそも既婚者だ!!」
「おや?冗談のつもりでしたが、そのまで全力で反応されると冗談を言った側としては嬉しいものですね」
「……これでも俺はお前を助けに来たんだぞ?」
「そうですか、わざわざありがとうございます」
ジルは警戒を解かないまま軽く会釈をした。礼儀正しいのか毒舌なのかよく分からん娘だな……
「俺を信用しろとは言わないが、この辺りでアラガミが出てくる場所を教えてくれないか? 俺の仕事はそれを倒すことなんでな」
「アラガミですか……それならあそこに」
ジルが指差す方向を見ると海面から背ビレのような物が突きでており、それがゆっくりとだがこちらに近付いてきていた。背ビレ……グボロ・グボロか?いや、
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