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黒き刃は妖精と共に
【プロローグ】 滅竜魔導師
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仕事じゃない。それこそ専門のギルドに頼んだほうがいいだろう」
「そういうわけにはいかないわよ」

 他人任せ結論に至った青年に、すぐさま反論したのは先ほどのこともあってか辺りを警戒していたシャルルだった。
 特に問題があるような発言をしたつもりはなかったのだろう、首をかしげる青年にシャルルはピシッと指を突きつけた。

「私たちのギルドはここからそう遠くないの。それに、このあたりは依頼やギルドでの生活にも欠かせない薬草とかもいっぱいはえてる。ギルドには結界があってモンスターなんて進入できないでしょうけど、一歩出ればあんな危ないモンスターがうろついていたんじゃたまったものじゃないわ! 戦える魔導師もいないし、近くの集落なんかも襲われるかもしれないし……」
「戦える魔導師がいない? 君たち、さっき僕に補助系の魔法かけてくれたり飛んだりしてたから魔導師ギルドなのかと思ってたんだけど。二足歩行で話す猫も、あんなにしっかりした魔法を君みたいな子供が使ってるも初めてみたよ」

 意外そうに、青年は自分が手当てしている少女と奇妙な猫を交互にみる。

「えっと、私たちにギルドって生産系のギルドなので戦闘に関してはそれこそ護身術ができる人も少ないくらいで……。魔法を使えるのは私とシャルル、あとマスターと数人だけなんです。といっても、私は補助系、シャルルは飛行魔法。マスターは結界とかの防衛魔法、ほかの人も植物の成長を促したりちょっとした占いができるくらいで、戦えるような魔法はまったくです。シャルルのことや私の魔法は……」
「あ、言いづらいならいいよ。それにしても、そっか……依頼にもあったけど普段は静かそうな森らしいし、戦いの知識はほとんど必要なかったってわけだ。もしもの場合にも防衛系の魔法は充実してるようだし、僕みたいな人間もいるしね」
「僕みたいな人間?」
「ああ、そういえば言ってなかったか。見てわかるとおり、僕は傭兵だ。まぁ一国を相手取った戦争から子供のお使いの護衛までなんでもござれの何でも屋といったほうが近いかな。そして、さっきのウォードッグ。あれの撃退および討伐が今回の依頼内容だ。たぶん、君たちの知ってる近隣の集落ってとこからの依頼。五十匹くらいかな、戦ってるうちに逃げた数と同じだしさっきも言ったとおりもう平気だと思うよ」
「で、でもこんな地域に来るほど追い詰められてたとしたらもしもってことも……」
「まぁ、そんな時はまた僕みたいな人間が借り出されるさ。魔法を使うようなモンスターじゃないし、どこかの魔導師ギルドから人員を派遣してもらうのもいいかもね。よし、おしまい」
「あ、ありがとうございます」

 大したことないよ、と手を振りながら青年は腰を上げた。
 立ってみると、以外にしっかりした体つきをした男性だ。
 背丈はそこまで高いと
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