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Rainy Heats
Rainy Heats
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ったですよ」
「いえ、私は何も・・・」
教団は方針を転換した。だが、その提案を行ったのは咲だ。
「貴女がいきなり教団の元の姿に戻すと言った時に、私は来る時が来たと思いましたよ」
使者の任務が終わった直後、咲は私のもとに殴りこんできた。文字通り殴られもした。
「す・・・すいません、あの時は・・・」
「いいんですよ。私は、最初から貴女がそれを成すために近づいてきたと思っていました。もちろん私を殺す事も含めて」
「違います!私はただ・・・!」
「ですが、貴女は私を生かした。何故です?」
「・・・総帥、あなたは戦争を始めてしまった。でも、始めたからには終わらせなければいけない。貴方はその責務があるし、私はそれを最後まで見届けなければならない。祖母の代わりに」
「・・・分かりました。でも、たまに私も弱音を吐くかもしれません。そのときは、叱ってくれませんか?あの時のように」
「総帥・・・でも・・・」
「以外と、可愛かったですよ?」
「からかうのは、やめて下さいよ!」
「その調子ですよ。・・・さて、まだ仕事はたくさんありますね」
「でも、やるしかないです」
「一日でも多く生きて、皆を幸せにしてみろ!でしたっけ?せっかくですから、貴女の言葉に従ってみるとしましょう」
「言わないで下さい!」
?
保護を受けている家に帰り着くと、既に技師が到着しており、部屋の一室で秋の診断と応急の処置をしてもらった。だが、応急処置のため、義足などもないただの止血だ。これ以上の修理は工場で行う必要がある。
処置が終わると、その足で修理を行うために工場に向かうための準備が始まる。ひとまず歩けない秋には車椅子が与えられ、自分で動くことができるようになった。
『秋ちゃんもう行っちゃうの!やだよー女子トークしようよ―』
「帰ったらいくらでもやってあげるから待ってて」
『むー分かった。あ、あとね』
「ん?何?」
二人の会話が途切れる。どうやら秘匿回線での通話だ。数回言葉を交わし、通話が終わる。
「アオイってさ」
「ん?」
会話が終わると、次はこちら。ビィと何を話したのか―――――。
「結局ビィに見せてもらった中で、一番どれが好みだったの?」
「ビィ!お前!」
おそらく先ほどの会話を全部話したのだ。思い出して顔が熱くなる。
『だってぇー、今は秋ちゃんいるじゃん?』
「そうだけどなぁ・・・」
「実はね、今から直してもらいに行くけど、色々機能を制限したらどの姿にでもなれるらしいのよ。で、どうせならアオイの好みの姿になっとこうかなーって。で、どれ系の私が好き?」
「・・・秋は、秋だろ?」
先ほどの答えをそのまま使用する。本心だが、実のところ何も考えていないだけだ。
「ぶー。その答えじゃ受理できませーん。ちゃんと言えるまで私修理受けないよ?」
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