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Rainy Heats
Rainy Heats
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「じゃあ・・・私は・・・」
「あんたは、あんたの生き方を選んだだけだよ。私は、あんたが元気でさえいてくれれば、それでよかった」
「・・・意味分かんないわ」
「そうだろうね。私の心のことだから」
「・・・わかんないわ」
?
空洞を爆破してから数日が経過した。
あの後、ポッドは無事に地下に難着地に成功し、生き残ることができた。直後に司令から命を受けた人間が保護しに来た。元教団の人間で、司令官の友人らしい。教団の名にかなり抵抗があったものの、贅沢は言えない。
教団には保護と名の監禁を受けたものの、投獄などされずに一軒家をあてがわれた。それも司令官の働きかけだろう。
同時にビィのデータも即席の箱から、通信端末付きの物に移し替えられた。
本人新しい入れ物を気に入ったようだが、あの箱もしっかりと保管している。モガリとの、秋との思い出の品だ。
暫くはこの一軒家に住ませてもらい、戦況が落ち着いてきた頃に司令官の元にゆく手筈になっていた。加えて、司令とは端末で通信することができた。
『アオイ君、無事で何よりだわ』
「はい、ありがとうございます」
『私も元気ですよっ!』
『それは何より。こっちはちょっと大変だけど、皆無事だから安心して』
通信端末から見る司令はやや疲れた顔をしていたが、会った時の精気はそのままだった。
出発してから数日のことだが、聞きたいことは山ほどあった。
「あの教団の人はどうなったんですか?」
『あいつは説教して返したよ。若いもんの教育がなってないね』
「それは僕に対してもですか・・・」
『そうだね。特に女関係とか』
「勘弁して下さい・・・」
『で、説教はまた後だ。今度はあんた達の話だよ』
「はい」
結晶体との戦闘、地下空洞のこと、モガリのことを話すが、会話の中に秋の事を含むのを意図的に避けてしまった。司令はその内容をゆっくりと聞き、自分の中に落としこんでいた。
『そうかい・・・そのモガリって男、なかなかいい男だったみたいだね。で、だ』
司令は一旦言葉を切り、いう言葉を探しているようて、やや間を開けて続けた。
『秋は、どこだい?』
「秋は・・・その・・・」
『・・・死んだのかい?』
「違います!秋は・・・秋は絶対に生きる・・・と思います」
言っているうちに自身が無くなりそうだった。秋の事について話すのはなぜだか情けなかったからだ。知らなかったとはいえ、止められなかったのは自分だ。それでも、真実を伝えなければならない。
先の会話で外していた秋の事を全て話した。そして、最後に行方不明とした。
まだ死んでいると決まったわけではない。
『・・・わかった。秋のやつ、やりたいようにやったんだね』
「僕は、止められませんでした」
『いいんだよ。それも含めて秋の勝手さ。その勝手を許しただけさ。で
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