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Rainy Heats
Rainy Heats
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取る。ゼロ。
頭上で動力炉が臨界、空間がプラズマに満たされ、炸裂した。
しかし、それだけでは済まなかった。雨の所為で開いた穴は、衝撃によってもろくなっており、岩盤が崩れ、空洞も全て巻き込んで崩落した。
アオイ達が先に行ってくれたおかげで、彼らには振動などは伝わるだろうが、影響はないと言っていいだろう。
だが、自身への影響はどうやら少なく見積もりすぎていたようで、爆風に巻き込まれ、岩肌に激突し、吹き飛んできた岩が殺到し、腹を貫かれ両足を潰される。
「―――――!」
眼前が痛みにより真っ赤に染まり、何も見えなくなる。
その影響により、システムが自己保護のプログラムが実行され、強制的にシステムをダウンさせ、今度は目の前が真っ青になる。
ごめん、約束は守れそうにない、かな―――――。
その言葉も残せず、秋は稼働を停止した。

?
「うわ!」
降下している脱出ポッドの中でも、頭上で爆発が起きたことを感じた。秋が炉を爆発させることに成功したのだ。
自分が思っていた爆発より規模が大きく、不安がよぎるが、秋はきっと無事だと信じる。
「やったな・・・秋」
これで、地上の雨もなくなり、戦争もおわる。それなのに―――――。
『もう、雨とか戦争とか、どうでもいいじゃない・・・!』
「ビィ・・・?」
ビィは秋の無事も、この先の事も何も考えずに自暴自棄になっていた。
『アオイちゃん、なんで秋ちゃん止めなかったのよ!いいじゃない、雨があったって!戦争したままでも!』
「ビィ!ちょっと落ち着けよ!」
『だって!あんな装置で逃げられるわけないじゃない!』
あんな装置とはモガリが託したものだろう。モガリの装置に何か不備でもあったのだろうか。
「どういうことだよ、それ」
『わかんない?モガリさんは元々あそこで自分も巻き込んで爆発するつもりだったんだよ。秋ちゃんが持ってたの、あれもう自爆スイッチだよ!』
「だって・・・奥の洞窟に逃げれば大丈夫だって」
『あれね、嘘なんだよ』
「嘘・・・だって」
『あの洞窟、奥は崩落しちゃってて、逃げ道なんかなかったんだよ』
「じゃあ、秋は・・・」
『・・・』
「何とか言えよ・・・ビィ!秋は帰ってこれるんだよな!」
『・・・もう・・・わけわかんないよぉ・・・』
「秋・・・!」

?
雨の結晶が爆破した衝撃で、母艦も少なからず影響が出ていた。
潮流の変化、衝撃による損壊、生産していた食料がダメになったなどなど。
次々と被害報告が上がり、その全てに司令として目を通しておく必要がある。もちろん、損壊箇所は命令がなくとも修理が始まっており、八割以上修復している。
「次は・・・飛んできた牡蠣が外壁に刺さっている、か。修理ロボットも今は出せないからこれは保留だな。次・・・倒れてきた本で骨折・・・?あ
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