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Rainy Heats
Rainy Heats
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・ばっかじゃないの、あんた・・・」
この間の抜けた返事が、何よりの答えだった。OSに生命があるのかは不明だが、それでもビィは生きていた。
『うへへー、秋ちゃんの泣き顔頂きましたー。あ、カメラないから撮れないや』
「泣いてなんか・・・ないわよ・・・ばか・・・」
『・・・ごめんね』
何故だ、何故こんなに視界がにじむのだろう。声が掠れてしまうのだろう。ただ、相棒と再会出来ただけなのに。

秋はその後も声を殺して泣き、放心状態になっていた。暫くはそっとしておくべきだろう。
「モガリのおっさん、あんがとな」
「いやいや。でも、操縦席も相当壊れていたんだけど、ギリギリOSの部分だけ残っていたんだよ。あの爆発にこれだけ耐えられたのは説明つくけど、あんまりいいたくないけど奇跡だよ、ホントに」
『いやー、あの時は必死だったからね。あ、でも秋ちゃんとアオイちゃんにもう一回会いたいなーって思ってたら、ここに来れたんだ。でも、モガっちすげぇんだよ。ぱぱぱーっと私回収してこの形にしてくれたんだ。感謝してるよー』
「そりゃどうも。でもちょっとおじさん、お礼が欲しいかなって」
『あ、私アオイちゃんの二号なんで』
「え、アオイ君愛人持ちなの!?うわー」
「違います!」
泣きの余韻を晴らすために俯いていた秋は、肩を震わせてこっそり笑っていた。

?
私の復活まで少しかかったが、モガリはそれを待ってくれていた。
「もう大丈夫です」
「よぅし。感動の再会が終わったところで、本題に入ろう」
膝を一つ打ち、空気が引き締まる。これから始まるのだ。世界を救う戦いが。
「僕はこの炉を臨界させる準備を始める。君たちはポッドを修理してであの穴から地下に行くんだ。元々地下に行くつもりだったんだろう?」
あまりにも単純な計画。これ以上の無駄はない。だが、問題はある。
「ちょっとまてよ!俺達はいいとして、あんたはどうするんだよ!」
あのポッドは子供二人とおまけで定員ギリギリだ。大人一人が入る隙間はない。
「僕は掘ってきた穴に入ればいいだけさ。ちょっと進めば爆風にも耐えられる」
一応計算してみるが、彼の言うとおり爆風はこの空間だけを破壊し、奥の空洞までは影響は出ない。また、洞窟の内部の岩盤も頑丈にできているため、崩落の危険性も少ないだろう。
「それじゃ、世界、救っちゃおうか?」
モガリが右拳を突き出したので、全員同じように右拳を突き出し合わせる。
「ああ、やってやろう」
だが、洞窟内にひとつ気になるデータを秋とビィは発見する。
この事実をモガリが知らないわけがない、だが視線を合わせたモガリは黙って首を振って作業を開始した。

「とは言っても、俺達逃げるだけなんだよな・・・」
三人と一つは脱出ポッドを改造し、地下に降りる準備をしていた。改造とはいうも
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