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スーパーロボット大戦OGAnother
第一部「数奇なる騎士」
第08話「猪の叫び」
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ルトシュバインは落下の衝撃を防ぐために再加速し、海へと落ちた。
「タカヤ!」
ミナミが悲鳴に似た叫びをあげた。
「…俺は大丈夫だ!早くトドメを!!」
ややあって、タカヤが言った。
「分かった!俺が決める!!」
体勢を立て直したタスクが、今度はヴァルシオンを捕らえた。
「ジガンテ・ウラガーノ!!」

巨体がヴァルシオン改を直撃し、機体が崩壊を始めた。
「ぐおおおおおおおぉぉぉぉぉ…おのれぇ、ジガン…スクードぉぉぉ……」
「!…すまねぇ…」
タスクが呟いた。
「ぐがあ…がっ…はっ…」
機体に呼応するかのように、テンペストの全身から血が噴き出した。
「消えて…しまえ…」
腕が、足が、顔が、みるみるうちに崩れていく。
「消えてしまええええ…こんなっ、世界ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ…………………………………!!!」
悲痛な断末魔。
復讐鬼の最期である。
「………」
タカヤは何も言わなかった。
タカヤだけではない、ヴァルシオン改、そしてテンペスト・ホーカーの最期を見届けた者は誰一人として声をあげなかった。












***













残存敵機の撤退を確認し、各機が帰艦を始めた。
右脚の膝下が消し飛んだグランバインを、ライトがじっと見つめていた。
「…」
らしくない動きではあった。
あの時、自分が何を思ったのかも、今のライトには何故か分からなかった。
「…………」
「よう、お疲れ。」
タカヤが声をかけた。
「よく受け止めきったな、こいつも」
「ああ…ブラックホールエンジンでなければ、Gウォールの出力をあそこまで上げるのは不可能だった。機体に助けられた。」
無感情な声でライトが答えた。
「ま、そのお陰で被害が抑えられたわけだ。誇っていいんじゃないのか?」
タカヤが微笑む。
「そうかもしれん、が、どうしたものかな。こいつの修復にはゲシュペンストGUフレームを1度解体してヒュッケバインMk-Uのものに変えねばなるまい。サーボモーターとは勝手が違う。」
ライトの言う通りグランバインは、Hフレームの胴体にGUフレームの手足が付いているという変則的な機体である。
故に内部機構であればともかく、外側もとなると少々修復が面倒なのである。
「009の余暇パーツでどうだ?、いっそのことHフレームに戻しちまえよ。チャクラムだって換装できるだろう」
イルムが歩み寄る。
「規格違いをつけてるよりは動かしやすいだろう。テスラドライブのことを考えたって少しでも安定している方がいいだろ?」
「…確かに、しかしそれだけの改装となると次の出撃での自分の乗機がなくなります。」
ライトが返した。
「同じタイプの機体でよければ009ならば出せる
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