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スーパーロボット大戦OGAnother
第一部「数奇なる騎士」
第08話「猪の叫び」
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ームが右翼と尾翼を撃ち抜き、続いストークの遥か上空、Reapsの手から放たれた光輪は、ストークの動力部を切り裂き、機能を止めた。
「うおおおおおおおおっ!?」
ハンスの叫びが木霊する。
「俺が最後だ!」
残ったブリッジの真正面、鋼鉄の孤狼が牙を研いでいた。
「―――ステークッ!!」
その一撃の速度たるや、
ハンスに悲鳴をあげる暇も与えなかった。
「やったわ!」
援護に回っていたエクセレンから歓声が上がった。
「…借りは返したぞ。」
キョウスケが静かに言い放った。











***










「タスク!」
叫ぶタカヤの目の先
「クソっ!離せ!!このぉぉ!!」
「返せ…血を返せジガンスクードォォォォォォォォォォォ!!」
割り込んだタスクのジガンスクードがヴァルシオン改に捕まってしまっていた。
「これじゃ迂闊に手が出せない!」
ミナミがぎりと歯を食いしばった。
「返せ返せ返せ返せかエセかえせかエセ返せ返せかエセかえせかエセ!!」
もはや正気など、理性など一欠片も残ってはいない。
憎しみだけで動く、戦闘マシーン。
「ぎぃっ!?こ、こいつ!」
タスクが一瞬青ざめた。
ヴァルシオン改はジガンスクードの分解を始めようとしていた。
理性がなければ、人もまた獣。
しかし機動兵器に乗っているのであれば、こんな原始的な攻撃も驚異となりうる。
「タスクゥゥッ!クソ!このままじゃ!!」
タカヤが声をあげた。
迷っている暇はない。
友を、死なせるわけにはいかない。
「俺は!」
タカヤの目が変わった。
そこに、未熟な男の面影はない。
恐れを捨てた、―――戦士の目。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
雄叫びをあげながら、猪突猛進。文字通り猪が獲物に飛び掛かった。
「!、ええイ邪魔をスルナあああああああ!!」
突進に気づいたテンペストは、その進路にチャフグレネードをばら蒔く。
「くっ、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
チャフを振り切り、フルスロットルで猛進するビルトシュバイン。
微妙な動きで爆発を避けきり、真正面のチャフはどちらかのザンバーで切断する。
ビルトシュバインの機動性、そしてタカヤのアダム仕込みの格闘センスのなせる技だった。
「これでっ!」
機体の前方で両腕を交差させ、触れ合うザンバーがバチバチと火花をたてる。
「てああああああああああああああッッ!!」
体当たりと共に両のザンバーを突き立てて左腕を斬り裂き、コックピット付近を抉った。
「ぬおおおおおおおおおおおおおお!!」
操縦系統に異常をきたし、コックピット内で血を吐くテンペスト。
その一撃は深く、そして致命的だった。

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