第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
四十八話 小さな豪鬼
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嫌だと思い使わなかった。
(……まずいわね、神奈子やルーミアにも似てきたのかしら?)
紫の立場からすれば母親のような人物達ではあるが紫自身は自分の事を“理知的で冷静”であると自負している為あの二人のような戦闘思考にはならない、と内心決めているのだ。
そんな思考に蓋をし視線を萃香へと向けると彼女は焼き払われた大地に大の字で横たわっていた。
「ハハハハハッ!あれを防がれるとはね!参った完敗だっ!」
負けたというのに清々しい顔付でそう宣言する萃香に紫はゆっくりと近づきながら、
「約束は守ってもらうわよ、いいわね?」
「鬼は嘘を吐かないんだよ、好きにしな」
紫はその言葉を聞くと唐突に萃香をスキマへと落とした。何の合図も無しに――――当然、突然空いたスキマに落ちていく萃香は悲鳴を上げるがそれを遮るようにスキマは口を閉じる。
目的は達したが予想以上に深手を負った事で幽香に敗北した時の事を思い出してしまい八つ当たりの為に無言で萃香をスキマ送りにしたのだ。
八つ当たりだと自覚はあるのだが――――やってしまう辺り彼女はまだ精神的に幼いのかもしれない。
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