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無欠の刃
下忍編
大切な物
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撃することも、攻撃を当てることさえもとても容易くて、なのに、彼女の背中には攻撃が当たらない。

 ―それは。

 カトナの背中に迫っていたセンボンを全て、写輪眼で読み取り掴んだサスケは、苦無で、新たに投げられたセンボンを弾くと、無防備なカトナの背中を全力で守る。
 当たりそうになった攻撃は全てサスケに任せ、背中をサスケに預けきり、カトナはただ、目の前の障害を倒すためだけに戦う。
 その関係はあまりにも信頼しきっていて、無防備すぎて、まるで依存しているかのように、お互いがお互いを裏切る筈がないと思いあうような、そんな関係。

 「…僕の勘違いでしたか」

 似ていると思っていたけれど、どうやら、彼はまったく自分と違うようだと、白はカトナの認識を改める。
 白はそんなにも無防備に信頼できるのは、彼の主たる再不斬だけだ。君麻呂も自分と似たようなものだとは知っていて、背中を預けることはできるけれど、彼の前でそんなに無防備に何てなれるはずがない。
 もしものときのために、無防備にはならない。
 なのに、カトナはサスケに背中を預けきってしまっている。だからといって、カトナがサスケのことを、白が再不斬を思うように思っているのかと問えば、それは全く違うと言い切れる。
 カトナのその思いは、あくまでも、サスケではなく、ナルトに向けられている。
 なのに、その信頼はサスケに向けられていて。
 カトナの存在そのものが矛盾しきっていると思いながら、白はセンボンを勢いよく投げる。
 何度投げられたかもわかられないほどに投げられた、そのセンボンを慣れたように取ろうとしたサスケは、ふと、気づく。
 自分の後ろにいるカトナに向かい、新たにセンボンが投げられていることを。
 そして同時に、視界の端で更に認識する。
 白が光速をこえる動きで動き、多方向から一気にセンボンを投げようとしている事実を。
 サスケの目が、見開く。
 彼の体が、咄嗟に動く。
 カトナが異変に気が付かないまま、大太刀を振り下ろした瞬間、その体を突き飛ばし、上に乗っかった。
 突然のその行為に成す術もなく倒れ込んだカトナは、慌てて後ろを振り向き、そして、見る。

 「無事、かよっ」

 串刺しになったサスケの姿。
 ごぼりと、その口から血が漏れ、カトナの頬を赤く濡らす。
 カトナの目が開かれるよりも先に、サスケの体から力がぬけて倒れ込み、カトナの肩に顔を埋める。

 「?」

 事態を旨く呑み込めず、カトナは首をかしげて、自らの掌にチャクラを纏わせながらも、サスケの背中一面に、隙もなくつき刺さるセンボンを抜いていく。
 一つ抜くたびに、サスケの背中から血が漏れていくが、カトナのチャクラですぐに止血されていく。
 迅速で、それでいて乱れないコントロールで
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