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101番目の舶ィ語
原作一巻 第0章 プロローグ
プロローグ3。ヤシロ
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って軽く会釈しておく。
女子は苦手だが、こういった礼儀作法をちゃんとしないとじいちゃんや兄さんにボコられるからな。
もっとも、もう会えないが。

「『赤マント』とか『花子さん』とかは怪談なんだろ」

「そうそう、それも都市伝説だね。後は『口裂け女』とか、あるハンバーガーショップはミミズを使っている、とかそういう社会的な噂も都市伝説だよ」

「昔そんな噂があったなあ。『本当は食用ミミズを入れた方がコストが上がる』とかそんな話で、そんな事はしてませんって発表したとかなんとか」

「そうやって消えちゃう都市伝説もあるよね。後は定番だと『リコちゃん電話』をかけるとリコちゃんが電話をかけてきて、殺しに来るー、みたいなヤツ」

「あったか?」

リコちゃん電話?
理子が電話をかけてくんのか?
実際、理子にはハイジャックとかスカイツリーで殺されそうにはなったけどな……。

「知らないの?
リコちゃん人形の呪いの話。
あれって、玩具会社の電話サービスから出た都市伝説なんだけどね」

「へー。さすがは情報通のキリカだなあ」

俺の記憶にはキリカは、話し上手で聞き上手。
『物知りキリカ』として有名とある。

情報通と言われて気を良くしたのか、キリカは胸を張って人差し指を立てて語り出した。
キリカの胸に視線がいかないようにビクビクしながら俺は彼女の話を聞いていく。

「一昔前、自動応答の電話番号があってね。雑誌の広告とかに番号が書いてあって、その番号にかけると『もしもし、私リコちゃん、お電話ありがとう!』ってサービスだね」

「あー。なんか小話が聞けるってヤツか」

「で、『リコちゃん人形』を捨てた女の子がある日電話に出たら、『もしもし、私リコちゃん。どうして捨てたの?今から貴女のお家に行くわね』みたいに言われて、ガンガン家に近づかれていっちゃう、っていうお話」

「ベタだな……結局どうなるんだ?」

「最期は不明だね」

キリカは立ててた人差し指を自分のほっぺに当てて、思い出すように首を傾げた。

「えーっと、順番に言うと、その後は『リコちゃん』から電話が一方的にかかってきまくって。『もしもし、私リコちゃん。今から貴女の家に行くわ』『もしもし、私リコちゃん。今、貴女の家の前にいるの』『もしもし、私リコちゃん。今、貴女の部屋の前にいるの』って続いていく感じ」

あ〜なるほどな……オチがわかったぜ。

「最後は、『貴女の後ろにいるの』か?」

「そうそう。そして振り向いたら……キャー!みたいな?」

キリカは、キャーに、合わせて大きくバンザイする。
あまりにも笑顔でかたるものだから、恐怖より微笑ましく感じてしまった。
元々キリカの方にも俺を怖がらせるつもりなんてないんだろう。

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