番外編
雪宮 雫の日常
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「雪羅、いる?」
「ん?雫か、ちょっと待って・・・」
雪羅はドア越しにそう答えると、すぐにドアを開けた。
「どうかしたか?」
「沙織さんからこれを・・・」
私はエアメールを雪羅に渡し、雪羅はその送り主を見た。
「Ciel Canberra・・・。ああ、アイツか・・・」
「その人って誰?」
「ああ、一時期オーストラリアにいたときの友人だよ」
「女の子?」
「お、おう・・・」
その時の雫の顔は浮気を追い詰める女の顔をしていた。
「あ、あの雫さん?目が怖いんですけど・・・」
「ん〜、そんなことはないよ〜♪」
目からはハイライトが消え、絶対零度の視線が雪羅を襲う。
「雪羅、そのシエルさんとはどういう関係なの?」
私の質問に雪羅はばつの悪そうな顔で答えた。
「俺の剣のもう一人の師だよ・・・」
「えっ、もう一人の?」
「ああ・・・」
雪羅はその時のことを懐かしむように語った。
「俺が昔、野球をやっていたのは知ってるよな?」
「うん・・・」
「その時に精神を鍛えるって意味で剣道を親父に勧められてな、その時に出会ったのがシエルなんだ」
その後の話だとシエルさんはオーストラリア人の父をもつハーフで、雪羅のお父さんとは学生時代からの付き合いだったらしい。
その時にシエルさんから剣を教わったらしい。
「はじめは結構人見知りだったみたいでな、馴れるまで苦労したよ・・・」
雪羅は頬をかきながら苦笑する。
「それで、シエルさんからは何て?」
「ああ、今度日本に来るらしくって、その連絡だって」
「へぇ〜、そうなんだ・・・」
「まあ、その時にはお前も紹介しようかな」
「えっ・・・!?」
「どうした?」
「う、ううん。なんでもない・・・」
雪羅が私を誰かに紹介しようとするなんて考えもしなかった。
「ねぇ、雪羅?」
「なんだ?」
「もし、私とシエルさんを選ぶならどっち?」
「ん?お前」
雪羅は質問に対して即答で答えた。
「確かにあいつはある意味、完全無欠かもしれない。普通の男ならとっくに惚れてたかもな」
「じゃあ、なんで・・・」
「なんでって言われてもな〜・・・」
雪羅はうーん、と真剣に考え出した。そこででた答えが、
「わかんね・・・」
「えっ・・・」
「まあ、安心しろ。どんなときでも、何があっても・・・」
次の瞬間、私の唇は雪羅の唇によって奪われた。
最初は何があったのか分からず惚けていたが、起こったに気がつくと私は顔が紅くなり、体温が上がるのを感じた。
「俺はお前を離さな
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