番外編
雪宮 雫の日常
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見えるわね〜♪」
「まったく・・・さっさとすませるぞって、雫?」
雪羅が雫の方を見ると真っ赤な顔をして俯いていた。
『せ、雪羅のお、およ、お嫁さん・・・!?』
今にも煙が出そうな勢いなので雪羅は雫を現実に帰そうとする。
「おーい雫、しっかりしろー」
「ひゃ、ひゃい!!」
「ハァ、ほら、さっさと作るぞ」
「う、うん・・・」
その光景をテーブルで幸子と沙織がニヤニヤしながら見ていたのは言うまでもない・・・。
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
それから四人で昼食を食べると雪羅は食器を洗うため再び台所へと向かった。
私はリビングで二人で色々と話をしていると、洗い物を終えた雪羅が戻ってきた。
「じゃあ俺は部屋にいるから、何かあったら呼んで」
「はーい♪」
そう言って雪羅は二階へと上がっていった。
すると沙織さんは、
「さて雫ちゃん?」
「は、はい?」
「雪羅の何処に惚れたの?」
いきなりとんでもない質問に飲んでいたお茶を吹き出しそうになるのを堪え、飲み込む。
「ケホッ、ケホッ!い、いきなりなんですか!?」
「だって気になるじゃない、自慢じゃないけどあの子は結構恋愛に対しては疎い方よ」
沙織さんはこの方向に対しては過剰に反応する。雪羅曰く、仕事上のストレスの発散がこんな感じになるのだそう。
「で、どうなの?」
「そ、それは・・・」
私は手をテーブルの下でそわそわしながら話した。
「彼の人を思いやる気持ち、ですかね・・・」
「ほほーう」
「はじめは無理してばっかりな人に見えたんですけど、彼と一緒に過ごして分かったんです。彼は多くの人を守るために自らを犠牲にしてまで戦っているんだなって・・・。端から見たらお節介かもしれないんですけど、それでも私はそんな優しさに惹かれたんだと思います・・・」
そう、彼はいつでもそうだった。お節介なくらい優しくて、無茶ばっかりする。でも、そんな彼に人は集まってくる。
私はそんな誰もを引き寄せる彼の優しさに惹かれたんだと。
「〜♪」
「そ、そんなところです・・・」
「いいわね〜、純情な恋。私そういうの大好物!」
「ほんと、素敵よね〜♪」
「/////」
今更ながら恥ずかしくなってきた。
「わ、私ちょっと・・・」
「雪羅の部屋なら上がって一番奥よ♪」
沙織さんは雪羅の部屋を教えてから、部屋に手紙を持っていくよう私に渡した。
それは海外からのエアメールで、宛名も英語で書かれていた。
沙織さんに言われた通り、私は雪羅の部屋の前までつくとドアをノックした。
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