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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth12遥かに古き刻に在りし騎士の末裔〜Sir WorcsteD〜
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†††Sideアギト†††

マイスターからイリュリア騎士団の迎撃を任されたあたし達は、マイスターの張った結界から出て、国境防衛騎士団と合流するために空を翔けてる最中。あたし達の住まうアムルを守るために、そしてマイスターの期待に応えるために、絶対に侵攻を食い止めないといけない。だから「シグナム」って、あたし達の先頭を飛ぶシグナムに呼びかけると、「どうした」って少し速度を落として、あたしが隣に並ぶのを待ってくれた。

「マイスターが居ない今回の戦い、絶対に負けられない」

「そうだな。この一戦は重要だ。シュトゥラの懐深くまで侵攻を許せば、今までこの地を護ってきていたオーディンと国境防衛騎士団の頑張りを無駄にしてしまう」

「うん。負けられないから、始めから出し惜しみしない方が良いと思うんだ」

「融合か?」

シグナムはそれだけで察してくれて、あたしは「うん」って頷き返す。融合しての短期決戦。マイスターが居なくても勝ってみせる。ヴィータやザフィーラ、それに広域型のシュリエルも居てくれるんだから。
あたしとシグナムの話を聴いていたヴィータが「なあ、シュリエル。お前さ、どうしてオーディンと融合しないんだよ?」ってシュリエルに訊いた。シュリエルが目に見えてビクッと反応。脇に抱えている“闇の書”をギュッと握りしめた。

「闇の書を完成させないよう、オーディンから言われているのだ・・・。わ、私とてオーディンの役に立てるよう闇の書を完成させ、あの方と融合したいのだが」

「ふ〜ん。ま、お前と融合しなくてもオーディンは十分すぎるほどに強いし、いいんじゃね」

「むぅ。しかし融合騎としての私の存在意義を思えば、やはりは・・・」

「シュリエル。お前の実力は確かだ。我が主と融合し戦力としての数を減らすよりは、融合せずにいた方が助かる。それと、お前は単なる融合騎ではない。忘れるな。我らは主の平穏を守る家族だ。そして共に戦う戦友。お前の存在意義は、融合騎ではなく、主を支える者・支天の翼のシュリエルリートだ」

今までずっと黙っていたザフィーラがそう言うと、シグナムは「そうだな」って微笑んで、ヴィータは「良いこと言うじゃん、ザフィーラ」って大きく笑う。そうだよね。シュリエルはあたしと違って、単独でも十分強いし。
俯いてしまっていると、「お前はお前だ、アギト」ってシグナムはあたしの頭を撫でた。シグナムの言いたい事は判るから「ありがと」お礼を言う。あたしはシュリエルよりずっと弱い。それでもいい。オーディンとみんなの家族として戦友として、そしてシュリエルには出来ない融合騎としてのあたしを貫けばいいんだ。

「すでに交戦しているな。急ごう」

「「「応っ」」」

あたし達は拳を突き合わせてすぐ散開して、激しい戦域に突っ込む。参戦する
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