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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth11民草よ聴け・其は神よりの告知なり〜MinareT〜
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ガーデン》――

その直後、オーディンさんから強大な魔力が発せられ、そして桃色に光り輝く半球状の膜が展開、アムル全体を覆った。「ぅく・・・」と呻くオーディンさん。「大丈夫ですか!?」と慌てて尋ねると、「問題ないよ」と苦笑で答えた。
絶対に問題なくない。でも、今のオーディンさんに何を言っても無駄なことくらい、もう理解してしまっている。だから「お願いですから記憶障害が起こってしまうような無理はしないでください」と懇願。

「シャマルは注文が多いな」

「当たり前です」

オーディンさんが「善処するよ」と言った後、ミッテ領に向かって飛行開始。ミッテ領へと向かう最中「酷い・・・!」空から見るとよく判る。大地の至る所に大穴が開いていた。あの砲撃の着弾痕。こんな破壊を撒き散らす、イリュリアの砲撃・・・・許せない。
私の背に回していたオーディンさんの腕に力が籠る。チラッとオーディンさんの顔を見上げる。歯を食いしばって、「ふざけるな・・・」と怒りに震えていた。ミッテ領に入る前、ラキシュ領内だけでもう被害の深刻さが充分伝わった。私とオーディンさんは見た。燃える村・・・酷い有様だった。ラキシュ領本都とアムルに間に在るその村は、アムルへ来る行商人が立ち寄る休憩の場として名のある村だった。

「・・・シャマル。負傷者を捜すぞ。見つけ次第、すぐに治療を開始する」

「はいっ、了解ですッ!」

私たちは別れて負傷者を捜索し始める。瓦礫のの隙間から人の上半身が見えたからすぐに向かう。けど「こんなの酷過ぎるわ・・・。こんな小さな子供まで・・・」すでに息絶えている男の子の上に乗っている瓦礫を退かす。するとその子を護るかのような女性の体が瓦礫の下から現れた。たぶん母親。でもその女性もすでに・・・。

「誰か! 生きている方は居ませんかっ! 誰かっ! お願いっ、応えてっ!」

必死に叫ぶ。耳を澄まして、また叫んで、また澄ませて・・・でも、返事は無い。瓦礫の山を歩き続ける。そこに『シャマル。次へ行こう。この村に、生存者はいない』という思念通話。『でも!』私はそう反論してしまう。まだ、まだ生存者が居るかもしれない。だけど『シャマル!』というオーディンさんの大声で、ビクッと肩を竦ませてしまう。

「・・・シャマル・・・・行こう」

「オーディンさん・・・私・・・」

いつの間にか私の側まで来ていたオーディンさんが、私の肩に手を置いた。私はたまらずオーディンさんの胸に飛び込んだ。悔しい。何も出来なかった。そっと抱きしめ返してくれるオーディンさん。

「シャマル。辛いだろうが今は、別の街へ行って生存者を見つけて、治療した方が良い」

「・・・・はい」

私から離れたオーディンさんが改めてヘルモーズを発動。私は袖で涙を拭って、もう一度オーディン
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