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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth11民草よ聴け・其は神よりの告知なり〜MinareT〜
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りあえず無事で良かったと思う。
「無茶はしないでくださいね。オーディンさんの身に何かがあれば、私たちにも影響が出るんですから」
人差し指を立てて、めっ、と注意。「あ、そうだよな。すまない」と謝るオーディンさんに、「はい。許します♪」と笑顔を返す。主であるオーディンさんが亡くなれば、“闇の書”は新たな主を求めて転生する。それはつまり、私たちの今の幸せな時間も終わるということ。それだけは嫌。みんなが笑っていられて、そして私たちの優しい主オーディンさんが側に居てくれる、そんな時間が終わるなんて考えたくもない。
「しかし、あの砲撃。イリュリアからのものだが。あのようなモノ、どうやって・・・?」
「ああ。それに、どうして今まで使わなかったのか・・・?」
「疑問は尽きないが、私はとりあえずミッテ領へ向かう。念のためにシャマル、君も来てくれ」
「あ、はいっ」
「私とシャマルは先行する。すまないが誰かひとり、医療品を後でミッテ領にまで持ってきてくれ」
「判りました」
「それとあと、次の砲撃に備えてアムルに防御結界を張って行くから、防衛に出ないように」
オーディンさんはそう言った後、「我が手に携えしは確かなる幻想」と何かしらの呪文を唱えた。するとオーディンさんの手に一振りの剣が現れた。ソレを「シグナム。私が居ない間、みんなの将として、これを君に預けておく」とシグナムに手渡した。
「この剣は?」
「今から私が張る結界の制御キーと言ったところか。事態が明確になるまで結界は解除しないつもりだ。だがそうなるとアムルから入出できない事になる。それを防ぐためのその剣だ。結界の一部分にだけ穴を開ける事が出来る」
「なるほど。出入りしなければならない者が出た場合、その者が出れるだけの穴をこの剣で作るというわけですね」
「そういう事だ。ちなみに結界に穴を開ける度に魔力は供給してほしい。結界を維持するのに必要だからな」
「判りました。不肖シグナム。オーディンの不在時のこの務め、みなの将として果たさせていただきます」
「ああ、頼むぞ。エリーゼ達への事情説明も任せる。シャマル。急ぎたいから掴まってくれ」
私は「はいっ」ってオーディンさんに抱きつく。そして「それじゃ行ってきます」ってシグナム達に告げる。これから向かうのは、もしかしたら凄惨な現場かもしれない。アムルのように私たちが護ることが出来た街が、そう多いとは思えない。
「行くぞシャマル」
「いつでもどうぞ!」
一瞬の浮遊感。気付けばそこはもう空の上。そしてオーディンさんは「我が手に携えしは友が誇りし至高の幻想」とさっきとはまた別の呪文を詠唱。
「結界王の名の下に、その力を揮え」
――|広域守護結界《インヴィンシブル・
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