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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth11民草よ聴け・其は神よりの告知なり〜MinareT〜
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『私はオーディンより結界の制御を任されていますから。ですがオーディンが許可してくだされば、制御をアンナに任せ、出陣する事も出来ます』というものだ。負傷者の治療を続けながら、2人の意見を実行させた場合の事を思い描く。シュリエルの広域攻性術式があれば、並の騎士が集まったところでまず勝てないだろうな。

『グラオベン・オルデン。イリュリア騎士団を迎撃し、侵攻を食い止めろ』

『『『『『了解!』』』』』

イリュリア騎士団の事はみんなを信じ、任せよう。私とシャマルはそのまま救援活動に専念。そしてしばらく。「騎士オーディン」と私を呼ぶ声が背中に掛けられた。振り向いてみれば、そこにはクラウスの側近の青年騎士が居た。確か名は・・・

「ライナー・フレイジャー卿」

子爵の爵位を持つ騎士だ。濃い緑色の髪が風に揺れ、空色の瞳は私に向けられている。

「少し待っていてもらえないか」

「はい。もちろんです。お邪魔してすいません」

フレイジャー卿を待たせ、今取りかかっている負傷者の治療に専念する。治療をひと段落させてから、「どうかしたか?と訊くまでもないか」そう声を掛ける。フレイジャー卿は「あの砲撃の件で、議会は大慌てです」と僅かに焦りを見せている。
次の治療へと移りながら、少しばかり話を聴く。あの砲撃を受けたのはシュトゥラだけでなくウラルという国にも放たれたそうだ。ウラル。三連国バルトを構成している国で、雷帝ダールグリュンの治める国だったか。

「イリュリアと真っ向からぶつかる事が出来ていたのはバルトのみでした。ですが、貴方がシュトゥラに来て下さって、我々シュトゥラもイリュリアと戦い合えるようになりました」

「異世界人である部外者(わたし)が大きな顔をしているようで申し訳ないがな」

「そんなこと。・・・騎士オーディン。お力をお貸しください。このままではシュトゥラやウラルのみだけでなく、ベルカ全てが戦火に呑まれてしまいます」

「だろうな。あんな砲撃を続ければ、ベルカはイリュリアのものに・・・なる前に滅ぶな」

無差別砲撃を戦場ではなく民間人の住まう街に撃ち込むなど正気の沙汰じゃない。私とて全方位無差別連続砲撃・光神の調停(コード・バルドル)を、敵国の街だからと言って発動はしなかった。戦争だからと言って民間人を殺すまで行けば、それはもうなんの意義も無いただの殺戮だ。イリュリアはベルカを統一したいのだろうが、これでは統一どころか待っているのはベルカの終焉しかない。

「騎士オーディン。申し訳ありませんが、返答は出来うる限りはや――」

「考えるまでもない。イリュリアはもう放っておけない手段を選んだ。元々潰すつもりだったが、この一件でその意思はもっと強くなった」

「助かります。それでですが、王城の方へお越し
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