暁 〜小説投稿サイト〜
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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第七話
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――視界には、《ERROR》の文字が浮かぶだけ。

「何故だ!?」

 なぜなのだ。なぜ、自分はあの世界に行けないのだ――――。

「小波さん、私が」
「水音……」

 水音……ハクアが、DTLの前に立つ。悔しいが、現状ここからログインできる《適合者》の中では、彼女が一番の手練れだ。

「頼んだ」
「はい」

 席を譲り渡す。DTLの中に座り、ロボットアニメの主役機のコックピットめいたその機械のドアを閉め、ハクアは異世界へと旅立つ。

「ID《ハクア》のログイン、確認しました!」
「《央都》へのポイントログイン成功です!」

 オペレーターたちの声が響く。だがそれらは、もはや小波の耳には届かない。

 その胸中にあるのは困惑と、悲憤。自らの手で、最愛の弟を救い出せないことに対する、もどかしさ。

 だが、その役目はあの茶金髪の少女に譲るしかないのだ。彼女ならきっと、清文を取り戻してくれると信じている。

 だから今は――――


 信じて祈るという、原始的かつ非科学的な方法に、頼るしかないのだ。


 
 ***



 セモンは、白い微睡の中でわずかに目を開ける。何か、騒がしい気がしたのだ。目の前には、茶金色の髪の毛を揺らす、青いマフラーの少女……琥珀の姿がある。

「どうしたの?清文」
「……いや……何でもない……」

 事実、目を覚ましてしまったらもう何も感じなくなっていた。ただ、奇怪な不安だけが残る。今この幸せな時間を、誰かに崩されてしまうのではないか、という。

「大丈夫よ、清文」
「ああ……」

 けれど、琥珀が居るのならきっとそんな心配はいらないだろう。

 そんな根拠も無い確信と共に、セモンは再び目を閉じ、淡いまどろみのなかに堕ちて行った。
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