暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth10-B嵐の前の安穏〜魔神の剣槍
[3/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


(やはり素っ気ないな・・・・)

主ではない私に様付けをする事に抵抗があるのか、それとも元より好かれていないのか、どちらにしてもあまり良く思われていないようで、ちょっとヘコむ。無言のまま案内されたクラウスの私室。彼女は扉をノックし、「殿下。オーディン様をお連れいたしました」と告げる。
室内から「ありがとう。入って頂いてくれ」と、クラウスからの返答。彼女が扉を開ける。思っていたより小さな部屋(オリヴィエの部屋より少し小さく質素か)の中、クラウスが私を出迎えてくれた。

「お待ちしていました。どうぞ、お座りください」

「ありがとう。それにしても、一国の王子を待たせるとは、私も偉くなってしまったな」

「元とは言えオーディンさんは一国の王だった方。実際に偉いではないですか」

「今は流れ者だぞ」

クラウスに倣って部屋の中央にある2つの肘掛椅子に腰かける。「では、私はこれにて失礼いたします」と一礼して去って行くメイド(何故か駆け足)。つい「私はあまり好かれていないのだろうか?」と尋ねてしまった。
するとクラウスからは「そのような事はないはずですよ」との返答。むぅ。扉へと向かい、僅かに開けて聞き耳を立ててみると、「きゃあああっ、オーディン様とお話ししちゃったぁぁああっ」さっきのメイドの声だった。

「やったじゃないっ」

「聞いて聞いてっ。オーディン様って、以前は一国の王様だったんですって♪」

「王族っ!? 通りで気品のある方だと思ったわ♪」

「あ、でもどうしよう。緊張してた所為で、冷たく思われたかも」

「あとで笑顔で御声を掛けてみればいいじゃない」

他のメイド達と話しているのが遠くの方から聞こえていた。嫌われているわけではなくて良かった。パタンと扉を閉め、席に着き、改めてクラウスと挨拶を交わした後、彼は私との間にある丸テーブルにアタッシュケースを置いた。

「ご所望の品ですよ、オーディンさん。武装に必要な部品、ようやく揃える事が出来ました」

「おおっ! ありがとうクラウスっ」

カートリッジシステム搭載のアームドデバイスの製作に必要な部品を、クラウスが用意してくれるという事で待っていたが、ようやく頂けるんだな。クラウスがケースを開け、中身を見せてくれた。デバイスの頭脳とも言うべきコア。
そしてカートリッジを装填するためのパーツ。フェイトの“バルディッシュ・アサルト”と同じ六連式リボルバー×2だ。「手に取っても?」と尋ねると、クラウスは「もちろんです」と快く許してくれた。
やはりコアは新品じゃないとな。それに、六連式リボルバー。このパーツは、どの上位騎士のデバイスからも手に入らなかった。だから注文したんだが・・・「良い品だな。期待以上だ」パーツを作ってくれた者には心底脱帽、そして
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ