第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
化け物
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れる者の末路を見届けるのも己の役目と、自分にそう言い聞かせて目を開けた。
「我愛羅、か。読みにくい名前してやがんなあ、お前。アタシも人のこと言えねえけど」
紅丸を足元に従えこちらを睨み付ける小柄な少女に、我愛羅はありもしない眉をひそめた。テマリとカンクロウ、バキの顔が引きつる。旧友に話しかけるかのような口調で我愛羅に笑いかけたマナの表情は余裕そのもので、そして、楽しそうでもあった。
背負っている巨大な瓢箪のせいだろうか、我愛羅もさして背が高いわけではないが、そんな我愛羅よりもマナは更に小柄であった。瓢箪も何も背負っていないのにそんなに小柄であるというのは珍しい。二つ結いにした空色の髪を靡かせた少女の、黒い目がこちらをじっと見つめている。
「では、はじめてください」
ハヤテの声を合図に、紅丸がマナそっくりに変化した。クナイを手にとり、投擲。しかしそれは我愛羅の絶対防御たる砂に塞がれ、我愛羅に到達するには至らない。
「食遁・唾液弾!!」
吐き出された数発の唾液弾が砂に命中し、ぽっかりと穴を開けたが、それだけに過ぎなかった。直ぐに砂は流れ、開いた穴を塞いでいく。我愛羅の絶対防御、それは我愛羅の意思とは全く無関係に彼を守るこの砂だ。この砂は生まれてからずっと我愛羅を守り続け、いかなる敵もその砂を突き破ることはできないのだ。
我愛羅の視線が、二人のマナを見据えた。同時に砂が急速に二人の方へ向かって流れていく。どすりとその砂が壁にぶち当たった。
「――マナ!」
はじめが叫んだが、それは壁の方へではなく、空中に飛び上がったマナと彼女の姿に変化した紅丸に対してだ。砂がうねりながら片方のマナを襲ったが、それは紅丸だった。砂がふれるギリギリのところで変化を解き、砂の包囲を逃れる。
すると砂の注意は必然的に、もう片方のマナへと向く。こちらに向かって飛んでくる砂を、マナは一思いに飲み込み、そしてチャクラを練りこみ、吐き出した。
「食遁・チャクラ弾ッッ!!」
放たれた砂の塊は、瓢箪から流れ出る砂によってまたもや受け止められてしまった。しかし原料が我愛羅の砂であったことも相俟って、威力はかなり強く、我愛羅は少し後ろによろめいた――が、それまでだった。
更にスピードを上げた砂がマナを空中から地面へと叩き落す。突進してくる紅丸をまるで虫けらか何かのように砂で払いのけ、砂をよけようとするマナへ砂の指を伸ばしていく。
「くっそお、無駄に速えーんだよ!」
「マナ、上だ!」
はじめが叫ぶのとほぼ同時、前方からやってくる砂ばかりに気を取られていたマナは、ふと上から襲い掛かってくる砂に気づき、驚き、慌てながらも回避した。砂が鈍い音をたてて床に直撃する。四方八方から襲い掛かる砂の波に、マナは早くも息絶
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