友人、増えました
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ローウェルに相談してから半年、オレはリアス・グレモリーの誕生パーティーに招待され、初めて顔を会わせた。リアス嬢も婚約の話は聞いているのか、肩に無駄な力が入っているのが見て取れる。11歳という多感な時期の女の子だから、それも仕方のない事だろう。
「はじめまして、リアス・グレモリー。オレはゼオン、ゼオン・ベルだ」
「はじめまして、リアス・グレモリーです。ゼオン様の噂は色々と聞こえて来ていますわ。近々、最上級悪魔に昇格される事も」
がちがちに緊張していて所々棒読みに近い挨拶になっているがここはスルーするのが大人の対応だろう。見ればグレモリー卿も苦笑している。
話が少しズレるがオレは今期のレーティングゲームの大会でランク9位に勝利した事で最上級悪魔への昇格がほぼ確定したのだ。ランクの変動は大会後に行われるので今はまだ上級悪魔だ。だが、ここから残り3戦を全て不戦敗にでもならない限り昇格出来るのだ。我ながらよくここまで一人で来れた物だな。
最上級悪魔になればレーティングゲームの大会には招待されるか、自分で開催するか、最上級へと昇格した大会への義務参加以外は出場する事が出来ない。そうなれば時間が大分取れるから、それをリアス嬢に使うとしよう。残っている分は使い魔を捜したり人間界で孤児を保護する旅に当てれば良いか。
話がそれ過ぎたな。今は目の前のリアス嬢をフォローしなくては。
「ゼオンで結構だ。堅苦しいのは大人になってからで十分。今は子供らしく楽しむ時期だ」
そう言って懐から用意しておいたプレゼントの入った小箱を手渡す。中には銀術士がオレの婚約者の為にと無理をおして作ってくれた髪飾りが入っている。
「綺麗」
隣に居たグレモリー卿に促されて小箱を開けたリアス嬢は髪飾りに見惚れる。
「生憎と誰かに贈り物をする事など無かったから悩んだのだが、気に入ってくれたなら何よりだ」
「ええ、とても気に入ったわ。ありがとう」
年相応に笑うリアス嬢を見て、オレもそんな風に笑いたかったと思ってしまう。無論、それを外に出す様な真似はせずにリアス嬢に笑いかける。リアス嬢も髪飾りに見惚れた事で緊張が解けたのか軽い雑談を交わせる位になった。まあ、最後にグレモリー卿に勧められてリアス嬢にプレゼントの髪飾りを、今付けている物と交換して褒めると顔を真っ赤にしていたがな。
その後、他の招待客にも挨拶の必要のあるリアス嬢達と別れて会場の端の方で待っていたローウェル達と合流する。ローウェルの他はローウェルのクイーンで妻のシャリエラとローウェルの友人2名だ。
「待たせたな、ローウェル」
「いやいや、ここからグレモリー嬢との会話とか最後の髪飾りを手ずから付けて差し上げて、シンプルなだけに心に響きやすい『綺麗だ』の一
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