悪魔の島編
EP.19 S級クエスト解決
[7/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
年ほど前からの事だそうだが……この島が『悪魔の島』と呼ばれているのは、少なくとも10年以上前からだ』
それはつまり、彼らの言う『呪い』などないという事で――
「彼らは元々悪魔、という事だ」
そもそもの前提から間違っていた、という事だ。
もともと人間に変身する力があった村人……もとい、村悪魔たちは月の雫の影響で、人間の姿が本来の自分たちの姿だと記憶障害を起こしてしまった。彼らは悪魔――闇の住人だから、彼らは聖なる月の光を蓄えた遺跡には近付けなかったのだ。
ちなみにリオン達に記憶障害が見られなかたのは、月の雫が人間には効果が無い物だからだと推測される。
ワタルとエルザの説明に驚愕と困惑を隠せない面々に、さらなる衝撃が訪れた。
ナツ、グレイ、ルーシィ、ハッピーを島に導き、突如として姿を消してしまった村長の息子・ボボが姿を現したのだ。
死んだと聞かされた妖精の尻尾の面々はもちろん、実際に彼の胸にナイフを刺した村人たちの驚愕と困惑は、不謹慎ながら劇に出しても通用すると、ワタルが感じるほどに凄まじかった。
翼で悠々と空を飛びながら、『胸にナイフを刺した程度では悪魔は死なない』と朗らかに笑うボボに、感極まった村長が泣きながら抱き着けば、村の面々もそれぞれに歓喜を表現しながら抱き合う親子の周りを飛び回る。
「悪魔の島、か」
「でもよ、皆の顔見てると……悪魔ってより天使みてーだな」
その光景を見たエルザの呟きに、ナツが笑いながら返す。
確かに、一般に伝わる悪魔のイメージとは程遠いこの光景は、ナツの言葉が的を射ていると思わせるのに十分だった。
「(ナツがあの時掛けた声は、私の誓いの切っ掛けになっている、とも言えるか)……そうだな」
ナツが穴に落ちたワタルと自分に近寄って声を掛けなければ、自分はまた気付かない内にワタルの重荷になっていたのではないか――そう思ったエルザは気が付けば、隣で見張り台の柵に寄りかかっているナツの頭を撫でていた。
彼女なりの感謝を込めた乱暴な撫で方に、ナツ一瞬だけ呆けると、頭をさすりながら照れ隠しに怒鳴る。
「――な、なにすんだエルザ!!」
「……ああ、すまん」
「おーい、エルザにナツ!降りてこーい!」
「ああ、今行く!」
「おい! 逃げるなエルザ!!」
下からのワタルの声にエルザは返事をすると、ナツの抗議の拳をヒラリと躱し、見張り台から下りて、ワタルの元に向かう。
「なんでナツの奴は怒ってるんだ?」
「さあな……なあ、ワタル」
「ん?」
「……なんでもない!」
「そうか…………村の者たちが宴を開いてくれるそうだ」
「ああ、楽しむとするさ」
本当は、先程立
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ