ターン13 正義の闇と運命の光
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さすがの三沢も、タロットにはそこまで詳しくない。名前ぐらいは一通り覚えているが、正位置逆位置の意味など一々覚えてはいないのだ。
「まず、教皇の逆位置は嘘を示します。つまりあなたは過去、私に対して嘘をついた。そして魔術師の逆位置、これはあなたが私に対しての裏切りを行おうとしていることを示しています。ですが、そんなあなたの未来は吊された男の逆位置。つまり、その試みは徒労に終わるでしょう」
「………っ!」
「あなたが最初から光の結社の仲間になる気などなく、ずっとスパイ活動を続けていたことに気が付いていないとでも思っていましたか?むしろいつ私のところに直接来るかと思っていましたよ。しかし、麗しい友情ですねえ。友人である遊野清明を心労から救うため、無理を押して強行してくるとは」
ここまで斎王の話したことは、全て当たっている。ウリアの力のおかげで辛うじて洗脳を免れた三沢はとっさの判断で光の結社内部に入り込むことを選択したが、その日のうちに闇の波動がどうたらこうたらともっともらしいことを言われてウリアのカードは没収されてしまっていた。つまり闇の力が抜けた今、あくまで一般人である彼が次に光の結社相手に負けた場合は問答無用で洗脳されることとなる。できればそれを避けるための保険として、まずはウリアを取り返しに行く予定だった。
だが、それができない理由ができた。誰あろう、遊野清明の暴走である。今日行ったデュエルによりかなり彼の精神が追い込まれていると判断した三沢は、いつまでもゆっくりしている場合ではないとまだ準備ができていないことは百も承知で斎王のもとへ乗り込んだのだ。
「そこまでわかっているなら話は早い。俺とデュエルしろ、斎王!俺が勝ったらこの馬鹿げた話をすべてなくし、二度とこのアカデミアの土を踏まないと約束してもらう!」
「ふぅむ………いいでしょう、あなたのように優秀な手駒は、いくらいても足りることはない。ですがお忘れなきよう。あなたの運命は、このデュエルが始まる前から既に決まっているのです」
「能書きはいい、始めるぞ」
「いいでしょう。少しばかり、遊んであげますよ」
「「デュエル!!」」
「先行は私ですね。私が召喚するのはアルカナフォースV−THE EMPRESS。そして召喚成功時、このモンスターの効果が発動します。さあ、回転を止めるのはあなたですよ、三沢大地」
アルカナフォースV−THE EMPRESS 攻1300
女帝を意味する大アルカナ3番目のカード、エンプレス。そのレースのようなマントを身に着けた頭上で、1枚のカードがゆっくりと回転を始める。不気味に回転するエンプレスのカードを注意深く見ながら、適当なタイミングで声をかける。
「ストップだ」
ぴたりと
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