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(仮称)武器の御遣い
第壱章
第一席:法正、天の御遣いと邂逅するとのこと
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「落ち着かれよ関羽殿。侮辱をしているわけではない。やはり気付かぬかと思っただけだ」
「む。気づかなかっただと?」
「おや、貴殿も気付いておられぬか?」
「何にだ!」


 ……関羽は怒りっぽい。……脳内メモにメモしとこう。


「やはり気付いておらぬ様だな。もうよいだろう。降りてこい、飛鳥」








『……星。……無茶言っちゃダメ。……普通は背後の天井に人が居るなんて思わない』


 ……そう言いながら、白蓮殿と劉備一行の間に移動して足の握力を弱め、床に着地する。


「ッ!? 何者だ!」


 ……いきなり降りてきた俺に驚いたのか、関羽が臨戦態勢を取る。


『……遅い。……臨戦態勢を取るのに数瞬。……軽く十回は死んでるぞ?』


 ……そう言って合気道の応用技で関羽を転ばし、尻餅をつかせる。


『……そう警戒しなさるな。……俺の名は法 孝直。……白蓮殿に雇われて客将をやってる、流浪の傭兵だ』


 ……そう言うと、北郷を除いた三人が驚いた表情をした。


「ええぇぇぇ!? 法正さん!? 本物!?」
「ほ、法正だと!?」
「仮面の兄ちゃん法正なのか!?」
「?? そんなにすごい人なのか?」
「スゴイなんてものではありません! 法正は五年ほど前、突如として現れた凄腕の傭兵なのです! ですが、気分によっては依頼を受けない事もあり、期間は長くとも四半年(約三ヶ月)。力や権力で従えさせようとして返り討ちにあい、壊滅した軍は数しれず。現在、雇うことに成功したのは益州の劉焉殿、并州の丁原殿、漢中の張魯殿、西涼の馬騰殿、洛陽の十常侍筆頭の張譲殿と大将軍の何進殿、冀州の袁紹殿とその母君の袁逢殿だけと聞きます」
「そ、そんなに凄いのか」
「聞けば益州、并州、漢中、西涼、冀州は法正が滞在していた期間の間に近辺の賊徒を粗方討伐し尽くしたとか」


「ふむ、飛鳥よ。お主、本職は隠密とか言ってなかったか?」
『……ん、言った。……武力が有ったから、武将みたいな事してただけ。……本職は隠密。……あと、別段依頼が来なかった訳じゃあない。……ただ、先に名の上がった七人より魅力的な取引相手が居なかっただけ。……愛殿には氣功術を。……晶奈殿からは、五斗米道(ゴットヴェイドォー)の医術を。……葵殿達西涼からは、馬術の指南を。…… 麗羽殿と美麗殿からは、旗と大軍を指揮する経験を。……彩羽殿と(ファン)殿と紗耶香殿からは、伝手を報酬として貰った。……梅香様は、まだ無名だった頃、拾ってもらった恩が有るから、無報酬で力添えをしていた』
「ん? なあ飛鳥。ならなんで私と契約してくれたんだ? 私は金以外には馬くらいしか報酬に出せんぞ?」
『……別に、金で雇われる時もある。……
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