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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第8話?裏の事情
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いダロ?」

?俺は無言で頷いて、向こうから送られてきた【フレンドに登録しますか?】というメッセージに『Yes』をクリックする。これで晴れてアルゴとフレンドになれたわけだ。

「じゃ、オイラはこれで。またなにか情報が手に入ったら連絡するナ」
「……わかった。助かったよ、ありがとな」

?そんな言葉を交わすと《鼠のアルゴ》は路地裏の奥に消えていった。アルゴの姿が完全に視界から消えると、俺は「はぁ……」という大きなため息をついて、すぐ隣にある建物に体を寄りかからせる。
?まさか、自分が知らない間に自分の身がこんな危ない状況になっていたなんて想像もしていなかった――いや、想像したくなかった。

「……全く……ついてないな」

?そう呟きながら、今後のことを考える。
?こうなってくると、対策をしようにも手の打ちようがない。となると考えるべきは『これからどうするか』ということだ。
?きっと俺がβテスターだとバレるのは時間の問題だろう。俺だけなら別に構わない。こうなることはある程度予想していたので問題なしだ。だがバレた場合、俺と一緒に行動している二人の身にも危険が及ぶ可能性が大いに出てくる。それだけは絶対に避けなければ。
?そう考えると、俺の頭の中には一つの案しか浮かんでこなかった。

「……もう少し面倒見れると思ってたんだが」

?そんな強がりを口にしながら、心の中ではわかっていた。
?ただ、もっと二人と一緒にこのゲームをしたいだけだということに。
?俺は唇を噛みながら強く拳を握った。

「……もっとアイツらと居たいなあ……」

?――もっと三人で冒険したかった。

?誰も周りにいないから今だけは本音を漏らしてもいいだろう。だが、どんなに思っていてもこの状況が変わることはない。
?さっきも言ったが、こうなることは解っていた。だからカイとユウと一緒に行動するときにパーティーを組まなかったし、自分が知っているテクニックはこの一ヶ月で全て二人に教えた。――あとは自分たちで何とかするだろう。アイツらはゲーム得意だから本当は心配する必要はないかもしれない。

「……そろそろ行くか」

?アイツらも心配してるだろうし。
?俺は今まで建物に寄りかからせていた体を持ち上げる。俺の気持ちがどうであれ、この第一層のボス戦で終わりだ。
?それはそうと、このことはバレないようにしないとな。二人に気付かれてしまったら意味がない。

「……俺の場合、大丈夫だな」

?こういう時に自分があまり感情が顔に出ないタイプでよかった。
?そんなことを思いながら、俺は来た道を戻り始めた。
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