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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第2話?夜の予行練習
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よ」
「じゃあ、今度はソードスキルを出してみろよ」
「りょーかい」

?《ソードスキル》。
?このSAO(世界)における必殺技のようなもので、通常攻撃の倍以上の威力があり、決まった予備動作をすると自動で体が動き、敵に向かって発動する。
?便利な反面、ソードスキルの直後は一定時間の硬直時間が設けられている。どの世界にもメリットだけのものなど存在はしないらしい。なかなか現実的だ。
?また、ソードスキルと言ってはいるが、コウ曰く何も武器だけのものではないらしい。非戦闘スキルである《裁縫スキル》や《料理スキル》にも存在するそうだ。
?さらに、ソードスキルの動きに上手い具合にブーストさせると通常のソードスキルよりも威力が上がるらしい――なかなか高度なテクニックらしいが。ブーストを失敗させると、ソードスキルが途中で止まるそうだし。多分今の僕には無理だろーね。でも便利そうなので是非とも習得したい。……戦闘が楽になりそうだし。

?僕はここに来る前にコウに教えてもらい記憶していた予備動作を再現する。すると、持っている僕の武器の刀身が光――システムが予備動作と認識した証であり、ソードスキル特有の《ライトエフェクト》が灯った。

「よいしょっ!」

?そこから先は簡単だ。僕がターゲットにしている敵――フレンジーボアに向かって身体が勝手に動く。
?普通ではありえない速度で距離を詰め、一閃。
?フレンジーボアは一気にHPゲージを全損させ、悲鳴を上げて無数のポリゴンの欠片となった。そして、僕の近くにフレンジーボアを倒して得た経験値、お金――SAOの世界では単位はコルというらしい――が示されたウインドウが表示された。

?実際にソードスキルを使ったのは今回が初めてだったが、思っていたよりも違和感が無く、むしろ爽快感すら感じた。
?僕は思わず感嘆の声を漏らす。

「……これが……ソードスキル………」

?だが、誰かに自分の体を操られるような感覚に気持ち悪いとも感じた。それのおかげであれほどの威力の技を叩きだせるのだが……。
?そのうち慣れるのかもしれないが、その慣れるまでに時間がかかりそうだ。

「……どうだ??使ってみて」
「うん、なかなか良かったよ。決まると気持ちいいし、何より敵を倒すのが楽になりそうだしね」

?僕はコウの言葉にそう返した。別にそうも思ったのだから嘘はついていない。
?いやいや、本当に楽そうだなあと思ったよ??だって体は勝手に敵を攻撃するし、通常攻撃の何倍もの威力なのですぐに戦闘も終わらせられそうって本当に思ったもん。

「お前、楽なの好きだなあホント」

?そんな僕の言葉にカイが呆れた顔をしながら言った。僕は表示されていたウインドウを閉じて、左手に持っていた武器を背中の鞘にしまった。


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