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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第2話?夜の予行練習
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実世界でも本物のカタナを見たことがない僕にはよくわからない。僕はもうカタナっぽければそれでいいやって感じだ。

?何となくスモールブレードを抜いてみる。『武器』という言葉を聞いて最初は重いという印象を持っていたが、それ程でもなかった。学校の授業でたまに使う竹刀ぐらいの重さだ。
?これぐらいの重さならちゃんと振り回せそうだ。

「ちょっと振ってみていい?」
「……もちろん」

?そう言ってコウは僕から少し離れる。カイは元々近くにいなかったので、動いておらずその場であくびをしている。
?こいつ、ほんとに眠そうだな。まだ午後八時だよ?小学生でもまだ起きてるよ。もう少し頑張ろうぜ?
?僕はそれを確認すると、とりあえず何気なく左右に振ってみた。振るたびに僕の武器が風を斬る音がする。
?……うん、予想通りの重さだ。全く問題なし。
?まぁ、振れるってだけでこれで戦えるかといわれれば別だ。それは実戦してみないとわからない。

「……どうだ?」
「うん……何とかなりそう」
「じゃあ、さっそく始めるぞ」

?そう言ってコウも背中に背負っている武器を手に取った。
?補足をしておくと、コウの武器は初期装備と同じ片手剣のスモールソードで盾無し、カイははじまりの街の店に売ってあった槍を装備している。

?『ソードアート』・オンラインというぐらいなのだからてっきり剣だけしかないと思っていたが、どうやらそれは違うらしい。
?他の武具店にも行ってみたが槍の他に斧や棍などもあった。武器は今まで僕がやってきたゲームに出てくるものは大抵揃っているようだ。武器に飽きることはなさそうで少しホッとした。

「ほらっ、ユウ、あそこに青い猪がいるだろ?」

?そう言ってカイは自分の前方を指差した。それを辿って見てみると、自分の体の半分ほどの大きさの猪が動いていた。
?僕はそれを見て一気に自分のやる気がなくなり、恐怖が心の奥から溢れていくのを感じた。思わず一歩下がってしまった程だ。

「……何ビビってんだよ」

?カイが僕を見てニヤニヤしながら言った。べ、別にビビってねーし!?あと、ニヤニヤを隠すために右手を口元に当てているが、バレバレだからな。

「いや、何かさ……」
「うわぁ、コイツビビってるぅ〜」

?カイが今度は笑いを隠すことなく、はしゃぎ始めた。うぜぇ。
?あぁ、わかった認めるよ。確かに今僕はビビってるさ。
?いや、だけど考えてもみてほしい。今まで猪という生き物を見たことがない僕の目の前に実在するって言われたら信じてしまう程精巧な猪がいるのだ。これなら誰だってビビってもおかしくはないのではないだろうか?しかも暗いから見えにくいし………。

「……死にそうになったら俺とカイで助っ人に行くから安心しろ」
「お、お〜う……」
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