秋桜に月、朔に詠む想い
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対しての罰として、膝の上で今日一日は話をさせる、というのが今の現状。
月と詠は侍女仕事の為に居ない。兵達の練兵士気を上げる為に、二人は食事作りの手伝いや洗濯、報酬効果を齎すお菓子作りなどで昼間は忙しい。
まあ、そのおかげで、兵達には嘗ての徐晃隊と同じように誰のファンか、と言った娯楽を与えたりも出来ている。朔夜も公平な立場で見て貰う為に娘娘の侍女服を纏い偶に二人の手伝いをして、侍女三人娘のファンには派閥が出来た。男だらけの職場に咲く華は思いの外人気が高く、元より黄巾三姉妹という娯楽要因も華琳の領内で活動していた為にそういった楽しみは根付いていたのだ。
ちなみに此処に先だって駐屯している工作兵達には『えーりん派』が圧倒的に多い。徐州での戦の最中に絆が深まったというのが大きいのだろう。……月と朔夜の二人には身体的な部分で少ない場所があるから、真桜の兵達にとっては物足りないのも一つかもしれない。
「そろそろ機嫌直せ、朔夜」
「知りません。秋兄様は、ズルい人です」
「どうしたら許してくれる?」
「豊胸の、方法を教えてくれるなら許します」
兵達の噂は官渡で暮らしている以上は当然耳に入る。人気がどうすれば高まるのかいろいろ試す秋斗に進められて、月と朔夜の二人はフレームだけのダテ眼鏡も掛けてみた。それでも変わらなかった練兵場でのアンケート結果から、胸の大きさが原因だと行き着くのは必至である。
朔夜は秋斗さえ見てくれたらそれでいいが、やはり女性的な魅力も持ちたいらしい。男は母性に弱く、その象徴たる大きな胸が好きなモノ、などと本で読んだだけの知識を持っているのも原因の一つ。
「大きい小さいとかに拘らなくても朔夜は可愛いと思うけどなぁ。兵の奴等の好みの問題だから、そんなに気にしなくていいのに」
「ぁう……」
顔を真っ赤にして俯いた。
計算してでは無く素で言われた方が、朔夜には厳しい。さらには、頭も撫でるのだから、想いを向けている側としては堪ったモノでは無い。
コホン、と咳払いが室内に響く。二人の目の前に座る真桜は、甘ったるい空気を朔夜が発する前にと考えて。
「すまん真桜。試行の報告書、よく出来てた」
本来なら真桜が上司であるのだが、風聞が大きすぎて、官渡での準備中は華琳の名代という立場に秋斗は収まっている。
朔夜と詠は彼の軍師として頭脳を使い、月は王としての二人の献策を聞き、自身での採決を考えた上で秋斗に提示する。
秋斗も月と同じく二人の軍師から献策を行われて独自の答えを確立するが、全ての決定権を持つのは彼一人。
軍の一つのカタチとして成り立っている。
「敵に与えられる、損害はこれで問題は無いようですね」
「ん、兄やんの改善案で出来たのは点じゃなくて面やから、精度の調整さえしっかりしたら
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