第15話 モンモランシーへの治療
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で指さすから、毛布の中に手をいれてみてね」
「わかりました」
そうして触診を開始していったが、肝臓は強力な魔法薬を飲んでいるにもかかわらず、元気に動いている。頭の方は髪が少々邪魔だったが、だいたいの感触はつかんだので、それをノートに書き写す。その間のモンモランシーは、文句ひとついわずに、こっちの言う通りに動いてくれた。おかげではかどった。
「これから、自室で魔法薬の最終的な調整をしてくるけれど、これなら今の調合でもかまわないかもしれないな」
「そのあたりは、そっちが専門なんでしょ。原材料を教えるのも治ってから教えるって、こっちでわかるわけないじゃない」
「そうだね。それじゃ部屋で調合して、夕食の合間になじませておくから、また、あとで来るよ」
夕食後、寝る前に飲むようにとモンモランシーへ小瓶で魔法薬を渡して、翌朝彼女の部屋の前へ行って行くと、朝食へ行く気にはなっていた。
「朝食はやっぱり、食堂でとるんですか?」
「ええ、昨日より調子もいいし、階段を実際に降りてみたいの」
「本人にやる気があるんだったら、いいんですけど、無理だと思ったら、言ってください。まわりから目立たないように『念力』で身体を支えますので」
「貴方のその軍杖で、目立たないようにってどうされるのかしら?」
「やっぱり、無理ですかね」
「だと思うわよ」
「なら『レビテーション』で浮かせますよ」
「大丈夫だから。行くわよ」
俺は、食堂までいつでもサポートできるようにと、水の感覚を感じ取りながら行くが、特に問題はなくついたので、人が多い食堂では水の感覚を閉じて、いつもの席まで行った。
席では、他の女子生徒たちから
「大丈夫だった?」
「どう調子は?」
と尋ねられていたが、
「昨日はちょっと調子が、悪かっただけだから。今日は授業にでるわよ。もしも、調子が悪くなったら、途中で退室させていただきますけど」
「そうならないと、いいわね」
「そうね」
そういう風に朝食もすみ、授業や、昼食も終わり、授業後はモンモランシーの部屋に入って、
「体調はどうですか?」
「昨日とか一昨日が、嘘みたいに調子がいいわ」
「まずは魔法薬の調合はよさそうですね。それで夕食は、食堂でとられますか?」
「ええ、もちろん」
「それでは、いつものように夕食前にきますが、その時に今晩飲む分の魔法薬をもってきますので」
「それは、いいのだけど、昨日の触診ってやらなきゃ、やっぱりだめ?」
「うーん。本人が体調が良いと感じていても、しておかないと、変化だけは確認しておかないといけないんですけどね」
「なら、お風呂に入りたいから、そのあとの時間にしてくれない?」
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