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剣の丘に花は咲く 
第十三章 聖国の世界扉
第二話 彼の軌跡
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っとっ! 無視しないでよっ!!」
「五月蝿いわね。少しは静かにしなさいよ」
「あんたが勝手に人のベッドの上で飲み食いしようとしてるからでしょっ!」
「いいじゃない。減るもんじゃないでしょ」
「減るのッ! わたしの機嫌がっ!!」
「あたしには関係ないわね」
「―――こっ、この」
「ふふ、以前まではあなたにちょっと遠慮してたとこがあったけど、もう前までのあたしじゃないわ。もうあなたのアドバンテージは無い言ってもいい事だし。これからはガンガン攻めさせてもらうわよ」
「……いい気にならないで。昨日今日のあんたとは違って、こちらには積み重ねた時間があるのよっ!」
「はんっ! こっちにはタバサがいるのよっ!! 高身長と低身長! 巨乳と貧乳! 冷静沈着な責めと情熱的な責め! このコントラストに勝てると思ってるわけっ!?」
「ふ、二人掛りなんて卑怯よっ! 〜〜〜ッこ、こっちにだって―――シエスタッ!?」
「は、はえ?」
「なに一人勝手にケーキを食べてんのよっ!? ほらこっちに来なさいっ! そっちにタバサがいるって言うのなら。わたしにだってシエスタがいるのよっ! あんたとタバサ。わたしとシエスタ。条件は五分五分よ―――っ!! ………………っ」
「……自分で言っててダメージ受けるなんて……馬鹿じゃないの?」
「うるさいわね」
「でも、まあ、ん、ちょっと言い過ぎたと思うし。ごめんなさい、ね」
「う……べ、別にいいわよ。あんたがちょっとからかっただけって……分かってるし」
「そ、そう」
「―――『そ、そう』、じゃ、なああああああああああああああああああいッ!!」
「「「「「「―――!?」」」」」」

 一瞬静まった部屋の中に、少女の苛立ちに満ちた叫びが響き、部屋にいる女たちの視線が一斉に声を上げた人物へと集中する。ルイズたちの視線を一身に受け止めたジェシカは、息を荒げながらも部屋を見渡すと苛立たしげに床を足で蹴りながら再度叫んだ。

「シロウのことで相談したい事があるって言ってんでしょ。何無視してほのぼのと話してんのよっ!?」

 ドンッ、とジェシカが拳を叩きつけ、テーブルの上に置かれたお菓子とコップがガチャリと音を立てた。

「って言われても。その肝心の話とやらを聞かせてもらわないとどうとも言えないわよ」
「そうよ。シロウの事で話をしたいって言うからわざわざわたしの部屋を貸してあげたっていうのに、皆集まった後も全然話を始めないあんたが悪いんでしょ」

 ベッドの上に寝転がりながらキュルケが文句を言うと、続けてルイズが眉根に皺を寄せながらテーブルに拳を叩きつけた姿のジェシカに指をつきつけた。

「何よ仕方ないじゃない。こっちにも理由があるのよ理由が」
「理由?」
「そうそう。こう言った機会じゃないと……」

 
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