第十三章 聖国の世界扉
第二話 彼の軌跡
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は近くにいた使い魔のヴェルダンデに泣き付き、その様子を見て怯える一年生の姿を見たセイバーが、何時までたっても泣き止まない彼の頭頂部に殴りつけ(手甲有)強制停止させたのだった。
レイナールの方もほぼ同様である。周囲からの非難の視線に耐え切れなくなった彼は、おもむろに服を脱ぎだし諸肌を見せつけると、杖の先に空気のムチを作り出し、突然それで自分の背中を叩き出したのだ。突如と始まった変態的行為に怯える少女たち。結果として、これを見たセイバーがレイナールを強制停止させたのであった。そんな颯爽と現れ、怪人をやっつけたセイバーの姿に、元々憧れを抱いていた少女たちは、辛抱たまらないとばかりにヒーローに群がる子供のように群がったのだった。
そうして、士郎とセイバーが女子の集団に取り囲まれちやほやされる中、空中装甲騎士団と水精霊騎士隊は、その周りで血の涙を流しながら黙々と掃除をするという奇妙で混沌とした現状が出来上がったのである。
そんなアウストリ広場の様子を、とある塔の一室の中から見下ろす者たちがいた。
「全くシロウも大変だね。これはまた、後で追い掛け回されたりするんじゃないかい?」
「それは大変ですわ。もしそうなったら、また助けてあげないと」
「またって……あ〜……って言うか、前にあんなんなったのはあんたと……そこのジェシカが原因じゃなかったかい? あっ、そうそう確かあの時あんたシロウと一緒に物置で隠れてたって聞いたけど、一体何してたんだい? 男らに見つかって……結果として更に追っ手を凶暴化させただけらしいけど……」
「あらあら? そんな事あったかしら?」
「いやいや、そんな可愛らしく小首傾げても誤魔化せないからね。シロウを物置に引っ張り込んで隠れて……シロウ一人隠しときゃいいのに、一緒になって隠れてたなんて……ほんと中でナニしてたんだい?」
「あらあらうふふ」
「…………話す気はないと。はいはい了解したよ。全く油断も隙もないねぇ……。あんたも大変だねルイズ。こんな姉を持ってさ」
「……最近ちい姉さまが遠くに感じるんだけど。どうしてこうなったんだろ」
「は〜い。お茶とお菓子を持ってきました。お菓子は何やら料理長秘蔵のお酒で作ったケーキらしいですよ。楽しみですね。あ〜、えっと、どうしましょう? テーブルに全部乗せられませんが……」
「シエスタ。あたしたちの分はこっちに持ってきて。あたしはタバサとここで食べるから」
「ちょっ、なに勝手に人のベッドの上で飲み食いしようとしてんのよっ!?」
「あっ、分かりました。はい、どうぞ」
「シエスタぁっ?!」
「ありがと。ほらタバサ。ここに置いとくからね、本ぶつけてこぼさないようにしなさいよ」
「……ん」
「ちょ
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