第十三章 聖国の世界扉
第二話 彼の軌跡
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女の子たちからも慕われるようになった。実際そう悪い人ではなかったのだ。ただその人は、自分の欲望に正直な人であり、忠実に過ぎていた。その事に気付いた時には既にもう手遅れだった。気付いた時には、女に溺れた男の結末を幾通りも見せられた後であった。
……犠牲者は十六人。その内自殺者した人が二人いた。
「そ、そう」
初めて見る自分の従姉妹の苦味切った顔に、シエスタが怯えの色が混じらせながら頷く。何とも言えない空気が辺りに漂う中、色々と性に奔放な親戚関係を持っているからこそ、こんな目をする女の危険性を良く知るキュルケは疲れたように大きく溜め息を吐くと、髪をかき上げながら窓から見える空を見上げ、女たちの胸中にあるだろう思いをボヤくようにして呟いた。
「……はあ、全く本当に何ていうか……シロウって昔から色んな女に縁があるみたいね……」
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