第十三章 聖国の世界扉
第二話 彼の軌跡
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いけど」
「良くないわよっ?!」
「そろそろ本題に入るわ」
「なら最初っからそうしなさいっ!」
「はいはい、っと。えっと、つまるところ、わたしが相談したいシロウの過去と言うのは、この絵に描かれている―――」
宣言通りルイズを揶揄いつつ、ジェシカは再び写真に指を突きつけ。
「―――女たちの事よ」
静かに呟いた。
「「「「「―――ッ!!」」」」」
ジェシカの言葉を耳にした女たちの身に緊張が走る。
各々無言で瞳の中に様々な感情を宿す横で、ジェシカは写真に突きつけていた指を動かしていく。
「えっと、色々いるわね。黒髪ツインテールに金髪ぐるぐるヘアー。紫ロングヘアーに茶髪ショート。こっちの幼女組みは、銀髪に黒髪か……いや〜色調豊かね」
うんうんと頷きながら周囲を見渡したジェシカだが、再度写真に目を落とすと呆れたような声を上げた。
「もしかして、これ全部シロウの女と言う可能性は……」
「あるわね。大いにある。可能性は極大よ」
確信した声でキュルケが頭を一度上下に動かした。
「え? で、でも、シロウさんの両脇にいるこの子達って、どう見ても……」
「そうね。でも、可能性は高いわ」
シエスタの視線の先には、写真に映る士郎の両脇にいるどう見ても十二歳以下に見える少女の姿が……。震える声で驚愕を顕にするシエスタの横で、キュルケは確信に満ちた顔で頷く。
「そんな」
「だって、ねぇ」
信じられぬとばかりに恐る恐ると横に顔を振るシエスタに、溜め息をつきながらキュルケの視線が一人テーブルの上に置かれた料理長秘蔵の酒を使ったブランデーケーキを興味深そうに見つめていたタバサに向けられる。その身長や顔立ちからどう見ても十代前半―――それもかなり前半だろう姿形を持つタバサを視線に収めたシエスタは、瞬時にキュルケの意図を読み取った。
そう、このどう見ても十さ―――十代前半にしか見えない少女を、彼は……。
「なに?」
「い、いえ、何でもありません」
「そう」
向けられた視線に気付き顔を上げたタバサにシエスタが慌てて首を横に振ると、タバサは興味無さげに視線を逸らしそのまま顔を下に向けた。じ〜と微動だにせず向けられる視線の先にはケーキの姿が。食べたいのかしら? と、未知の食べ物を目にした猫のような姿に胸の奥をほっこりとさせていたシエスタだったが、先程から一人士郎の過去の女(だと思われる)に関する話に興味を示さないタバサを見てふと疑問が浮かんだ。
「えっと、ミス・タバサは―――」
「タバサでいい」
只者ではない雰囲気を纏うタバサに若干ビビっていたシエスタだったが、あっさりと呼び捨てでいいとの返事に頬を微かに緩ませる。
「あっ……はい。ありがとうございます
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