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その魂に祝福を
魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――2
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ら呟く。この世界にロストロギアがまき散らされているのは明らかだ。しかも、それを違法に回収している勢力がある。時間をかけてはいられない。
 ……とまぁ、それ相応の覚悟を固めて出撃した訳だが。
「だ、大丈夫でしたか?!」
 僕の姿を見た途端、彼女はわたわたと走り寄って来た。ついでに途中で一度躓いて転びそうにもなった。うん、どこからどうみても素人だ。……まぁ、その割にはバカみたいに強大な魔力を秘めているようだが。と、それはともかく。
「すみません。光お兄ちゃん、何か最近少しおかしくて……。でもでも、普段はとっても優しい人なんです!」
 いや、あれって少しか?――そんな事を思いつつ、取りあえず彼女を制する。
「ええと、さっきも名乗ったが、もう一度改めて。僕は時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。君は?」
「私はなのは。高町なのはっていいます。それでこの子が――」
「ユーノ・スクライアです」
 僕が名乗ると、二人はそれぞれ名乗り返してくれた。会話が成立する。それに安堵を覚えていると、少女――なのはは続けて言った。
「それで、この子がリブロム君です」
『いちいちオレまで紹介すんじゃねえよ、バカ野郎!』
 リュックサックから取りだされたのは、一冊の不気味な装丁の本だった。そして、その声。ブリッジで聞いたあの奇妙な声そのものだ。
≪クロノ君……。その本、生体反応があるよ……≫
 ゾッとした様子でエイミィが言った。
「……何?」
 怪物の顔の皮を剥がしてそのまま張り付けたような装丁は、確かにデバイスというには生々しい。だが、実際に生体反応があるとなると――。
『何だ、ヒトの顔じろじろ見やがって。喋る本がそんなに珍しいか、ああ?』
 観察していると、露骨に喧嘩を売られた。
「あの、ごめんなさい。えっと、口も人相も悪いけどそんなに悪い子じゃないんじゃないかな……?」
「……なら、何で目をそらす?」
 しかも最後は明らかに疑問形だった。どうやらなのはは嘘がつけない子らしい。
「それで、この本――リブロム? はデバイスなのか?」
「さぁ……。それが私にもよく分からないんです。何か、光お兄ちゃんの相棒さんらしいんですけど……」
 光というのは、あの黒衣の魔導師の事だろう。この本が、その相棒だと言うのは、なるほど確かにふさわしいのかもしれないが。
「少し見せてもらってもいいだろうか?」
 あえて本の形状をしていると言う事は、そこには何かしらが記されていると考えていいだろう。あの魔導師については少しでも情報が欲しい。なのはに断わりをいれてから、その本に手を伸ばすが、
「ッ!?」
 反射的に指先を引き戻していた。それにほんのわずか遅れて、ガチンと硬い何かがぶつかり合う音がした。ついでに、舌打ちの音も。
「何をする?!」
 言うまで
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