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無欠の刃
下忍編
血継限界
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率よくなるよ」

 そういって、無理矢理川から陸へと引きずりだしたカトナは、近くをくるくると回って見回すと、お目当てのものを見つけたらしく、サクラの腕を引っ張り、お目当ての場所によって屈みこむ。
 それに倣うように屈みこんだサクラは、カトナの目的であるそれを目にする。

 「蟻塚?」

 そう、蟻塚。
 結構何処にでも有るような、平凡で普通なもの。なのに、何故、カトナが探していたのかが分からず、首をかしげたサクラの前で、カトナが、ありえないことをする。

「え?」

 信じられなくて瞬きを繰り返したサクラにつきつけるように、カトナはもう一度行う。

 「人差し指から、チャクラの糸、だして」

 彼女の言葉通りに、言われなければ気付かない…どころか言われても気付かないほど細い糸が、動き回っている蟻の触覚を貫く。

 「ツボをつく」

 カトナのチャクラの糸に触れた蟻が、いきなり青いチャクラを纏って、凄まじい早さで走り出す。
 それを見て、サクラは間違いないと確信する。
 チャクラで蟻のツボを押した。単純に考えたその結果に納得がいかず、サクラは首をふる。
 カトナはそのサクラの行為を違う意味と受け取ったらしく、ぽんぽんと頭をたたく。

「難しいなら、最初は蟻を仕留める練習でいいよ。うまく殺せるようになったら、次は部位の選定。頭から足に。大きいものから小さいものに変えていって、最後はツボって言う風に、レベルを上げればいいだけだから、慣れたら簡単」
「…ちなみに、サスケ君は何処までやれるの?」
「サスケは下手だから、ひとつきだけ。上忍レベルだからまぁ、いいんだけど…」

 そういって、新しく出てきた蟻の腹を青いチャクラが貫いた、かと思うと、また蟻が青いチャクラを帯びて、ぐるぐるとその場を回り出す。

 「ここまでにはまだまだ」

 辛口な評価だと思いつつ、サクラは出来るはずないと自分を否定して、カトナに訪ねる。

「…他に何か修行はないのかしら?」
「他? ……今の時期なら雨粒か、水滴かな?」

 そう言うと、カトナは川に近づき、近くにあった石を掴んで、勢いよく投げる。

 「跳ねさせて」

 石が川に投げられ、水が空にむかって跳ね、そして雨のように降った瞬間。

 「貫く」

 カトナから放出されたチャクラの糸が、降り注ぐ水滴すべてを貫き、それが霧のように散らばる。
 一瞬、白いものがカトナの体を取り巻いたが、すぐに風が吹いて元のように散っていく。
 ぽかんと、呆気にとられたサクラに気がつかず、のんびりとした様子で、水面を眺めて言う。

 「雨粒を、チャクラで、貫いたり、弾いたりする、のも、修行には適してる。けど、雨粒は、日によるし、第一、的が大きすぎる。小さかった
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