夫になった訳だが……どうしよう?
46話
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もう一つが感覚だ。俺のように至近距離での戦いを主とするのならば、あらゆる感覚を研ぎ澄まさなければならない。そんな事を何だかんだで二十年続けてたからか、普段日常生活を過ごすにあたってある程度制限を設けなくてはならなくなった。理由は簡単、感覚が鋭敏化されすぎて俺の意識と身体の動きにズレが生じるようのなったからだ。
俺の身体が一歩踏み出す間に、意識の中では数歩先に進んでいる。自分の動きを含めてあらゆる存在がスローモーションで動いている、とでも言えば分かりやすいだろう。
そんな状態ではまともに暮らせないので制限を設けたのだ。
俺の強さである具足と感覚、その両者を最高の状態で組み合わせるには何が足りないか?
答えは俺の自身のスピードだ。
それを解決する俺が思いついた現時点での方法は……
「身体中のオラクル細胞を負担を無視しての活性化によって意識と身体の動きのスピードを一致させる」
その状態になれば普段の数倍のエネルギーを得られるので、凄まじい速度での変化などあらゆる行動が高速化する。ざっと普段の十倍以上の速度で動けるので、その間であれば相手が如何なるアラガミでも圧倒できるだろう。
当然、その効果相応のリスクもある。その状態になれば身体のオラクル細胞は凄まじい速度で活性化し死滅していく。
つまり、解除する時間を誤れば最悪俺の身体が崩壊して死ぬ。それに例え短時間であれ身体中のオラクル細胞に過負荷をかけるだけあって、終了後の俺の身体は早急にオラクル細胞の補充が必要になるわけだ。要はドーピングの類だ。
本来は一対一で使うべき手段だが、今回の相手は片方をどうにか出来ればある程度なんとかなるということもあり使わせてもらおう。
「さて、男神には退場願おうか」
その言葉と共に感覚の制限を解除し、オラクル細胞の活性化開始した。
その時、世界のあらゆるものが止まっているかのように感じた。その中では俺一人が普通の動けているというのは妙な感覚だが、そんな感覚に浸っている間にも俺の身体には凄まじい負担がかかっているのだ。一気に終わらせなければ。
右腕の具足から杭を出現させ、男神の額に突き立てる。
先程までは凹ませる程度でしか無かったが杭と強化された身体能力により、随分と容易く男神の金属おような皮膚を貫通し突き刺さった。それでも男神は俺の目から見れば痛みに苦しむ事はなく、少し前に俺が立っていた場所を見ている。
そのまま杭を具足から離し男神の額に突き刺したまま、両脚に出現させた杭を更に突き立てる。その段階でようやく最初の杭の痛みに気付いたようだが、その悶える動きですら遅い。
計三本の杭が男神に突き立ったのを確認し、その杭に一発ずつ蹴りを叩き込み男神から離れる。そして、安全な距離まで離れたのを確認して強化を解く。
解いた直後撃
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