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【SAO】シンガーソング・オンライン
シンガーの辿り着く先
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「貴方、本当にこのゲームに向いてないのね・・・」
「ほっとけ。ギターがあればいいんだよ」
「厳密にはギターじゃないけど・・・あ、はいこれ」
「?」

少女がなにやらアイテムを寄越してくれた。
これは・・・楽器のようだ。見たことが無い所を見ると新しく発見されたものだろう。

「イベントで見つけたの。使うの、あなたくらいしかいないでしょう?」
「まぁそうだが・・・」

少々言いにくい事だが、ちょっと誇らしげな顔をしている少女に真実を告げた。

「これ、筋力値足りないから持てない・・・」
「えっ・・・」

俺の現在のレベル・・・3(STR全振り)。ちなみに攻略組である少女のレベルはこの時点で32である。




## それから更に2か月後 ##


俺は、現在生活費を工面してくれているプレイヤーの数名と一緒にレべリングに参加させられていた。ギターを道具として装備するのに必要なSTR値が全然足りてないことが主な理由であり、俺は断ったのだが気のいい連中が「いいからいいから」と半ば強制的に参加させられた。

その結果。

「もう二度とおめえをレべリングに連れて行かねえ」
「才能がないないとは聞いていたが・・・ここまでとは」
「俺達が悪かった。正直ちょっと頑張れば戦い方覚えられるだろうってナメてた」

皆の意気消沈具合が凄い。
結局俺のレベルが13に届いた時点で皆の精神力が限界を迎え、ホームタウンに撤退してきた。
安全マージンよりちょっと上の階層だったのだが、もたついているうちに体力が3回レッドゾーンに突入し、回復結晶を2つも消費する結果になった。
13ってちょっと縁起が悪い気がするが、皆もうそれを気にする余裕さえない。

攻略組にとって死ぬ事は勿論、仲間を死なせてしまう事も一種の敗北という考え方がある。
それはモンスターやトラップに負けたという事ではなく、こんな世界を用意してプレイヤーを死なせる茅場晶彦に対する敗北、という解釈だそうだ。
俺も流石に死にたくはないが、ギターを弾けない自分に価値はあるのかとも思って頑張ったらその分だけ空回りしてきっちり死に掛けた。

「お前、次からは一層でレベリングしよう」
「俺達が弱い武器でギリギリまで弱らせて転倒させるから、そこをプスッとやれ。効率最悪だが、そうでもせんとフロアボスよりキツイ」
「あー、結局レベリングはしなきゃいけないのね・・・」

攻略組にそこまで言わしめる俺の腕前とは一体。そう自問せずにはいられない俺だった。




## それから約1年後 ##


「そういえバ、お前楽器演奏スキルいくつなんダ?」

ふと、飯の途中に知り合いに訊ねられて、俺は質問の意味を理解できずに首を傾げた。

「は?楽器演奏
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