群雄割拠の章
第3話 『どうしてこうなった』
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在とも言える人物。
その人物が……目の前にいる。
「あっ、かっ……こ、公孫伯珪、様。そ、その相談役とおっしゃられる方は、ほ、本当に、本当に、あの……天の御遣い、様で?」
「ん? ああ……バレちゃったな。そうだよ、本人だ。まあ、いろいろあって今は私のところにいるんだが……」
ほん……もの。
「こ、ここここここここここここ公孫賛伯珪様に、お願いしたい議がございます!」
突如、兄者が床に頭を打ち付けた。
兄者が言いたいことに気づき、俺も頭を床に打ち付けた。
「お、おい!? なにを……」
「なにとぞ! なにとぞ我らを公孫伯珪様の陣幕にお加えくださいませ!」
「……は?」
目の前にいる公孫賛は、きょとんとしている。
「わ、我ら、我ら兄弟! て、天の御遣い様を心より憧れており、その武勇伝は我らの誇りでもあります! 何卒、何卒、天の御遣い様に仕えることをお許し願いたく!」
「……へ? じゅ、盾二に?」
公孫賛が隣にいる天の御遣い殿を見る。
その天の御遣い殿も、目をぱちくりとして……ああ、なんという愛らしさだ!
童顔の顔に精悍な眼差しの時も良かったが、素で驚いている姿もまた美しい!
「何卒、何卒お願い致します!」
「俺……私からもお願い致します。さすれば、陶謙の隠していることの全てもお話致します!」
「弟の申す通り! 何卒、なにとぞーっ!」
我らの全身全霊を向けた嘆願に、天の御遣い殿は――
「……えっと、盾二、どうする?」
「……よくわかんないけど、さっきまでの腹の黒さはないみたいだし。詳しく話を聞いてみれば?」
その言葉に、がばっと顔を上げる兄者。
その顔は紅潮して、喜びに震えているようだった。
だが、それは俺も同様である。
「なにもかも! 全てお話致します! その上で、どうか、どうか我らをお傍に!」
――この日、俺と兄者は。
生涯の主君を得たのだ。
―― 公孫賛 side ――
………………
なんか、二人の盾二を見る目に怖いものを感じる。
なんというか、あれは尊敬というより、完全に興奮している目だ。
いわゆる、性的に。
私がわかるぐらいだから、盾二はそれをわかっていると思うんだが……
まあ、盾二がいいならいいか。
そういうことにしておこう、うん。
ともかく、二人から情報を――聞いてもいないことを洗いざらいぶち撒けた二人は、とりあえず私の元で働くことになる。
とはいえ、私の言うことはあんまり聞いてくれない。
盾二からの指示は、犬が尻尾を振るぐらい容易く言うことを聞くのに。
………………あー、あれだ。
こういう状況にぴったりな言葉が
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