暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
群雄割拠の章
第3話 『どうしてこうなった』
[6/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ず殺し始めました」
「……それは聞いている」
「はい。そして遣わした使者も尽く殺されまして、恭祖様は殺される民を見るに見かね、止むを得ず曹孟徳様と戦端を開くこととなりました」

 実際には使者など出していない。
 曹操がどういう反応をするか高みの見物だと言っていた。
 だが、曹操の怒りが凄まじく、気がついたら城をいくつも落とされていた。

 民の被害などどうでもいいが、その財産は自分のものだと思っている陶謙だ。
 奪われた街の財産を再び奪うべく、侵攻してきたのは曹操だと、大義名分を得たつもりになって意気揚々と徐州から出陣した。
 あれほど止めたのだがな……

 結果は――

「しかし、戦上手で大陸全土に名高い曹孟徳様です。とても歯が立つ相手ではありませんでした。恭祖様は戦場でも使者を何度もお遣わしになったのですが……尽く殺されました」

 もちろん、最初は大義名分を掲げた宣戦布告のものだ。
 話ではその使者の書状を検閲した武官に、一刀両断されたらしい。

 その戦に負け、その後は相対する度に謝罪文を送ったが、当然全て破り捨てられたとのこと。

 全く愚かな……

「曹孟徳様は、街や農邑で略奪の限りを尽くし、民を全て殺しつくしました。そして?まで攻め入ったところで恭祖様は籠城し、曹孟徳様は一旦撤退することになりました」

 実際、私も曹操がここまでするとは思わなかった。
 いくら父親を殺されたとはいえ……徐州の無関係な民まで殺すとは思わなかったのだ。
 ただでさえ皇帝の後見人として立場がある。
 そんな曹操が、その立場を危うくするような大虐殺や略奪をするとは思えなかった。

 他にも陶謙が無茶をしたのは理由がある。
 曹操の領地における、昨年の内政の失敗だ。
 糧食をほとんど兵や民に配分し、出兵する分を賄えないだろうという……私の情報だった。
 だからこそ、無茶なことをしたのだろう。

 私にも無断で曹嵩を殺すとは……
 私ならば、そんな暴挙はしない。
 財産を没収した上で、捕らえて偽りの罪をかぶせて曹操を脅迫すればいいのだ。
 もっとも、それよりは曹嵩を歓待してツテとした方が、はるかに得が大きいのだが。

 何故それぐらいの手も取れなかったのか……理解に苦しむ。
 まったく……我らは仕える主を間違ったな。

「しかしながら曹孟徳様は、どうしても恭祖様を殺さねばお気が済まないご様子でして。今も洛陽にて糧食を集めていると伺っております。このことに気を病んだ恭祖様はお倒れになりまして……その余命は尽きようとしております。その為、ご縁があります伯珪様のご助力に縋りたく、私が罷り越した次第です」

 とはいえ……私や弟にも野心がある。
 元々は我らも豪族。
 陶謙が高給で我ら
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ