下忍編
似た者同士
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る。
この前コピーした忍術。土遁であるため、長い間使えず、チャクラの消費量も多いが有用な技だ。やはり、あのカカシが愛用していた、もしくは写輪眼でコピーしていただけはあると、ひとりごちながら、サスケは自分の得意技を昇華させた新たな技を、上に向かって放つ。
「火遁、業火球の術!!」
豪火ではなく、業火。赤ではなく青。低温ではなく高温。
ごうごうと燃える、青い炎の球体。
練られたチャクラは相当なもので、それは近くにいるどころか、水の中にいるカカシにすら熱いと思わせるほどに、高熱の火。
それを一瞥した再不斬の水分身は、冷静に避けるかどうかの判断をしたあと、カトナを巻き込むことだけに専念することにする。
自らの体は水で作られているため、火遁は通用しにくい。損傷を受けても平気だろうと、そう考えた再不斬であったが…。しかし、その考えは甘いと言わざる終えなかった。
カトナがにやりと笑い、自分に向かってきた火の球体をチャクラで弾いた。
例えるとするなら、それはまるで壁に当たった毬のようにはねかえり、再不斬のもとへ向かう。
術の勢いをすべて殺さず、けれど的はずれな方向には飛ばさない。
…コントロールの繊細さは、並外れすぎているだろう。
「なっ、!?」
カトナはその驚きの瞬間を見逃さないように、大太刀を抱えた状態でありながらも、上に飛ぶ。
一方、避けるのが僅かにといえ遅れてしまった水分身は、そのまま、その術を受けきろうとした。
火が水に勝てないと、そう過信した。
…さて、ここで簡単に自然の摂理を振り返ってみよう。
火は水に弱いが、何故弱いかと言えば、水が空気を火から奪い、火が燃え続ける環境を無くしてしまうからである。
故に、燃え盛っている炎に水を垂らしても、その水が火を消せないことがある。
それはつまり、強い火ならば、水に勝つ可能性を秘めているということだ。
「おいおい、それは」
…さて、水でつくられた体に、マグマにも及びかねない高温の、強い、青い炎が叩きつけられた場合、どうなるか…?
「滅茶苦茶熱いぜ?」
答えは簡単、沸騰するのである。
触れた瞬間、煙が上がる。ががががが、と火が水を殺し、削る。
水分身の体が沸騰し、蒸発する。
カトナはそれを予想していたと言うように、くるりと上空で反転し、沸騰していながらも、未だ原型らしきものを留めている体に、大太刀を叩きつけた。
沸騰した水に温められた大太刀が。どろりと熱をもち、シューシューという音をたてる。
水分身の体が、影も形もなくなる。
「…とどめもらい」
「あれは、とどめじゃねぇだろ!?」
サスケのその声を無視し、彼女は言う。
「次!!」
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