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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第六話
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るが、それをはるかに超えるスピードで、再び巨爪が振るわれた。とっさに持ち上げた左手の剣は、まるでバターのように真っ二つに切り裂かれてしまった。

 キリトは、不機嫌そうな顔でこちらを見るエインヘルヤルを睨み返した。彼女が従者である熊型の悪魔、《バァル=フェゴル》を鎧のように纏った瞬間から、キリトは一度も彼女に攻撃できていない。剣を構える前に、暴力的なスピードで接近され、切り裂かれるのだ。すでにキリトの各装備はぼろぼろになり、HPバーはイエローゾーンに入って久しい。

「……もう終わり?」
「まだだ……ッ!!」

 そう言って、エインヘルヤルの背後から大型の両手剣が振り下ろされる。半ば粉々になった真紅の鎧をうならせて、サラマンダー将軍ユージーンの《魔剣グラム》が、凶悪な光を放った。紅蓮のエフェクトはソードスキルの証。キリトの知らない起動は、彼のもつOSSの物だ。

「あなたには聞いてない」

 しかし、《魔剣グラム》が届くのよりもはるかに早く、エインヘルヤルの両手が動く。曲刀のような形状をした巨大な爪が、ユージーンの胴を三つにスライスする。飛び散るエンドフレイム。ALO最強の男は、あっけなくキルされた。

 ――――強すぎる。

 何度目かになるその感想を、キリトは心の中で呟いた。今声を出せば、震えたものが出てくるかもしれない。

 小柄なその姿からは想像できなかった、圧倒的な戦闘力。それも、彼女は恐らく『戦っている』実感など持ってすらいないのだろう。この状況は、ただの一方的な『虐殺』でしかない。

 ――――どうすればいい。

 なすすべもない。ありとあらゆる攻撃は、繰り出す前に滅せられる。どんな防御も、その爪撃の前には意味をなさない。絶望。たった一つ、それだけしか感じられない。

 一糸すら報いることもかなわずに、既にこの場に残っているのはキリトとアスナを始めとする、当初エインヘルヤルと戦うことを目的としていた精鋭メンバーだけ。立っているのは、キリトとアスナ、そしてアリスの三人だけ。だが、その中でいまだまともに動けるのはキリトだけだ。アスナもアリスも、己が剣を支えにして立っていることしかできない。

「キリト!しっかりしなさい!あなたは人界を救ったのでしょう!この妖精郷も救うのでしょう!」

 それでも、アリスは声を振り絞ってキリトを励ます。《人界》の一言は、ぼんやりとキリトの中に戦意を呼び戻した。

 そうだ。《人界》。俺は、ユージオと約束したんだ。何度だって立ち上がるって。

「キリト君……!」

 アスナの声が聞こえた。そうだ。彼女だって、俺が立ち上がることを望んでいる――――

「俺は――――剣士キリトだ!」

 自分へと、強烈な自己暗示をかける。その四肢が、見る見るうちに修
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