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無欠の刃
下忍編
試練
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近づき、サクラとタズナとの距離が離れていることに気が付く。しかも、絶妙に、二人の会話が響き渡っているせいで、サクラとタズナとの距離がわかりにくい。

 …音を頼りに人を殺す再不斬をかく乱させるため、会話をしているのか!!

 それを利用させてもらおうと、先ほどタズナが居た位置に、こっそり忍び寄ったカカシを黙視したカトナは、印を結んだあと、サスケの喉を撫でる。サスケはにやりと口角をあげると、この状況にそぐわない間延びした声を上げる。

 「安心しろ、サクラ」

 次の瞬間、サスケの喉だけが、カカシの喉に変化し、カカシの声が出る。部分変化の術とでもいうべきか、カトナのチャクラコントロールで、そこだけ部分的に変化させたのだと気が付いたカカシは、いきをのむ。
 カカシでも出来ないレベルのチャクラコントロール、プロフェッサーと言われた三代目火影でさえもできないだろう。
 そんな風に驚愕していたカカシの視線を受け止めていたサスケは、ふとにやりと笑うと、絶対に自分は言わない、というか、カカシだってあまり言いたくなくなるような、優しく甘い声で言った。

 「お前たちは俺が死んでも守ってやる。俺の仲間は、絶対に殺させやしないよ」

 サクラの顔が真っ赤になる。カカシの顔も真っ赤になる。
 唯一、カトナだけは再不斬の声に耳を澄ませ、そして聞く。

 「それはどうかな?」

 ―かかった!!

 二人の声を、そしてカカシの声を頼りに、タズナの前に現れたはずの再不斬は、いつの間にか、陣が変更されていることに気が付き、タズナが居る筈のその場所に、カカシが居ることを黙視する。

 「俺の生徒、悪知恵がよく働いてな!!」

 慌てて飛ぼうとした再不斬を当然逃がすはずがなく、カカシの苦無が再不斬の腹に突き刺さったと思った瞬間、カカシの後ろに再不斬が現れる。
 驚きに目を見開いたタズナが声を上げるよりも先に、カカシの体が真っ二つに切られた、と思った次の瞬間、切り終えた再不斬の首筋に苦無が当てられる。

 「おわりだ」

 そういったカカシに、再不斬が何か言おうとした瞬間、カトナが声を上げる。

 「終わってない!!」

 その言葉にカカシが反応するよりも先に、カカシの前の再不斬が溶け、背後から現れた再不斬に蹴飛ばされる。完全なる不意打ちに反応できなかったカカシは、せめてものあがきでまきびしをまき、水中に一時的に撤退する。
 しかし、それは失策だった。
 カカシが沈んだ水が固まりとなり、再不斬がにやりと笑う。

 「水遁、水牢の術」

 状況が絶望的になる。自分たちの味方であるカカシが捉えられ、タズナはひぃっと悲鳴を上げる。サクラの頭が冷静に判断を下す。逃げなければいけない、任務優先、はやくいかなければ。
 そう
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