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相州戦神館學園 八命陣×新世界より  邯鄲の世界より
第7話 四四八の怒り、神栖66町との対決
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 二日掛けて辿り着いた先には町があった。建物自体は昔ながらの家屋であり、四四八が在籍している戦真館のある第四層の時代と
然程違いは見られない。

 江戸時代、明治の初め頃の階層があるなど聞いていない。しかしこうして目の前に広がる光景は昔ながらの日本の物で間違いはないのだ。

 「四四八くん、昔の田舎町みたいなとこだね……」

 「あぁ、そうだな」

 「しっかしここが現代日本だったらあのバケネズミとかいう奴等は何なんだ? 時代が違うにしてもあんな連中、それこそ神話とか伝奇とかに
登場するもんだろ?」

 「栄光、お前の疑問も分かる。俺もこの目で彼等を……、バケネズミを見ているからな」

 「そういやスクィーラの奴はどこいったんだ? 一人で駆け出してそれっきりだぜ」

 鳴滝の言う通りスクィーラは一人で森の中を、コロニーと呼ばれる場所の中に消えたままだ。

 各々の疑問は栄光と同じだろう。この世界は違う歴史を歩んだ日本なのか? はては御伽話の世界なのか? いずれにせよこれから会う町の長と会えば全て分かるこ
とだ。

 そして到着した先には屋敷があった。そこいらにある家屋とは明らかに別格と呼べる豪邸。

 四四八達はそこに通され、待合室で町の長を待つことにした。

 そして戸が開き、現れたのは知的な雰囲気を備えた壮年の和服の女性だった。

 「始めまして。この町の長を務める朝比奈富子です」

 「戦真館特科生筆頭、柊四四八以下六名です」

 「礼儀正しい者達で助かったわ。「好戦的な者達」ばかりでなくて」

 朝比奈富子の言葉が僅かに引っ掛かった四四八だが、前置きなしの単刀直入に富子に疑問を
投げかける。

 「貴方方が大量に殺していた存在、あのバケネズミと貴方達が呼んでいる存在は何なのですか? そしてこの時代はいつなのでしょうか」

 礼節のある態度で質問する四四八

 そして富子の口から説明される背景に四四八は驚きを隠せなかった。

 今いるこの時代は四四八達が現実と呼ぶ世界の千年後の世界。そしてバケネズミと呼ばれる者達の真実だ。

 この時代からおよそ千年前にPK能力者という存在が生まれ、それが原因で文明が崩壊した。そして生き残ったPK能力者、
旧人類と呼ばれる非能力者との戦いが続いたが、ついにその戦いに終止符が打たれたのだ。

 そう、バケネズミと呼ばれる存在はかつての旧人類の末裔の成れの果てだったのだ。

 争いを生み出さないようにする為にとった手段としては余りにも冷酷で非道な手段だと四四八は思った。

 これ以上の殺し合いは避ける為に、これ以上の死を生み出さない為に。

 「この町の未来を、いえ人類を生き残らせる為には後継
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