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相州戦神館學園 八命陣×新世界より  邯鄲の世界より
第6話 蠢く闇、そして力
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った唇を僅かに歪ませながら呟いた。

 「さあ、恐怖劇(グランギニョル)を始めよう───」

 影の言葉と同時に邪龍の胎動が大きくなってゆく。そう、時は近い。邪龍がその牙で偽りの神達に裁きを与えるその時が───。




 ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※


 
 「いよいよ納得できんなってきたのぉ……」

 壇狩摩は不機嫌そうに煙管を吹かせながらぼやく。

 「あの甘粕がこがぁなヘボイ試練を与えるとは到底思えんのぉ。お嬢、あんたもそう思うか?」

 狩摩はそう言うと傲岸さで光る蜥蜴のような細い目の中の瞳を椅子に座る宝石、芸術品と言っても比喩ではない程の美しさで形成された少女に向けて告げた。

 辰宮百合香は狩摩の思う心中を察しているのか、

 「狩摩殿の不信感、このわたくしもよく分かります。大尉殿にしては聊か手温いとしか呼べない試練です」

 「おぅよ。そもそも甘粕ちゅう男は手加減、手心の類なんて持ち合わせとらんのじゃけ。あれは気に入った輩にこそ洒落にならん真似を
する男じゃ。試練、試練の釣瓶打ちよ」

 「甘粕殿が危惧しておられる未来……。あれはわたくし達にとっても由々しい事態なことは確かなのですがね。それにしても
五ヶ月もの間、あの廃神を戦真館に入らせ、柊四四八以下七名とお戯れを命じるなど不自然としか映りません。塩屋虻之、確か
その名前を使ってはおりますが、本来の名はスクィーラ。あの方には一度人間の皮を着た状態で会いましたが……。あの方には
私の「術」がどうしても通じませんでした」

 「ほう……」

 辰宮百合香の持つ邯鄲の夢を知る狩摩は不自然がる。術のタネ(・・)を知る狩摩であるが、
スクィーラがあの術を逃れる条件に当て嵌まっているとは考えにくい。

 「あの廃神モドキがのぅ……。ちょっと待てや、それじゃひょっとするとあのネズミ……」

 狩摩は思いついたかのように考え込むと、直後に大笑いを上げた。

 「くはっ! かはははははははは!!! そうきたか! そう来るでか!? いよいよこの夢は退屈させんわ!!!」

 小首を傾げながら洪笑をあげる狩摩を不思議そうな目で見つめる百合香を尻目に、狩摩は愉快とばかりに笑い続けた。

 「となるとどの道、あの町の神様気取っちょる連中には灸を据えなきゃならんのぅ!!! 気になるんは甘粕から指揮権(・・・)
奪っちょる奴じゃけえ」



  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※

 
 そこは深海の底に沈んだような空間だった。

 重く、暗く、冷たく、静か。華やかさや温かみは徹底して存在せ
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