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相州戦神館學園 八命陣×新世界より 邯鄲の世界より
第5話 スクィーラの涙、戦いの時
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自分が恨めしい。
神栖66町の者達に面従腹背していた頃とは違う、本当に心からバケネズミを受け入れてくれる存在がいて欲しかったと願っていたのだ。もう頭を下げるのには疲れた。もう
恐怖で従わされるのにはウンザリだ……。
スクィーラは恐れていたのだ。この姿を何より恐れていたのは他ならない自分自身だったのだ。この自分の姿を何より恐怖し、嫌悪していた。
どうせこの醜い姿を受け入れてくれる存在などいるわけがない。
どうせこの化け物のような生き物は排除される。
どうせ自分のような人間とはかけ離れた怪物は人間から嫌悪される。
幾度となく自分自身の姿を呪ってきた。自分自身の姿を幾度となく嫌悪してきた。
自分自身の真実の姿を何より憎んでいたのは自分なのだ……。
そして余す所なく七人に自分自身の真実の身体を曝け出した。隠す必要もない、虚飾の肉体で偽る必要もない。目の前の七人は自分自身の本当の姿を受け入れると言ってくれた。
それに応えなくてはならないのだ。嘘偽りの装飾品で塗装された姿は本当のモノではない。まず自分の本音を、真実を伝えないことには始めらない。
本当に自分を受け入れてくれる仲間にようやく出会ったスクィーラ。目からは涙が止め処なく流れてくる。スクィーラの胸の中には炎は燃え盛っていた。
熱いのは流れてくる涙だけではない。自分の身体全てが熱くなっている。これ以上ない程の解放感に満たされていた。そして自分の体の中には抑えきれぬ程の
炎が燃え盛っている……。
「ようやく本当の自分を見せてくれたな」
四四八の顔には嘘偽りのない笑みが浮かんでいる。世良に至っては目に涙を浮かべていた。
「私の本当の名前はスクィーラ。塩屋虻之は偽りの名です」
今、ここにスクィーラは本当の名前を七人の仲間達に告げた。そう、これから戦いが始まるのだ。人類の未来をかけた呪力者達との戦いが……。
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