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少年は魔人になるようです
第92話 少年達は黒幕とお話をするようです
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の結界が渦巻いて、明日菜さんと刹那さんは困り顔で佇んでいる。

・・・そもそも紅茶VS珈琲談義をする為にこうしている訳じゃない。聞きたい事は山ほどあるんだ。


「君は……かつてこの世界を混乱に陥れた。父さん達が戦った"敵"の生き残りで、その目的は世界の破滅!

敵だと認識する理由は十分だ!」

「……フン。浅い理解だ。話にもならない。それに"理由"についてもどうかな?」

「何っ?」


敵と認識する理由が・・・浅い?世界を破壊しようとしている奴を敵と認識する。

・・・当たり前の事じゃないか。この世界の人の事を考えれば当然の事だ。

仮にフェイトが詳しい話をしてくれたとしても、到底容認出来る事じゃない。


「僕達に敵対すると言う事は、君が父達の遺志を継ぎ世界の守護者となる選択を取る事を意味する。

正に"偉大なる魔法使い(マギステル・マギ)"の仕事だよ。大衆的にはね。

対して今の君はどうだい?世界を救う英雄?父の遺志を継ぐ運命の子?違うだろう?

11人の生徒・友人の夏休みの安全を預かる麻帆良学園の教師だ。」

「それのどこがおかしい?君が僕達の現実への帰還を邪魔するなら僕は戦う。」

「……そこだよ。そこが大きな誤解だ。」


ピッ、と僕を指差して話を止める。

誤解?何が誤解なものか。ゲートポートの時もだけど、修学旅行の時も、多分学園祭の時も。

こいつらが何かしら裏に居たせいで、何度僕達が危険な目にあったか。


「思い出してほしい。京都の時もゲートポートの時も、僕達が戦ったのは不幸な事故の様なものだ。

言っただろう、"偶然だ"と。僕達の作戦域に偶々君達が居たに過ぎない。」

「今更抜け抜けと……!それを僕が信じるとでも思うのか!?」

「まぁ、思っていないけれど。ただ、これは偽ざる僕達の見解だ。

君達の邪魔をする気はない。寧ろ無事に帰って欲しいと願っているくらいだ。」

「「な……!?」」

「そこで取引だ。君達の現実への無事の帰還を約束しよう。エスコートも付けるよ。

その見返りに―――」


チラリと僕の後ろに目を向けるフェイト。なんだ、何を言っている?

そんな、まるで僕達の味方であるような事を・・・そんな、ラカンさんや、愁磨さん、みたいな・・・?

そのまま明日菜さんを見たまま、口走った。


「―――お姫さまを渡して貰おう。どうだい?」

「へ?」

「……!」


それを聞いた反応は三通り。明日菜さんは何の事か分からない様子、桜咲さんは知っている様子の焦り。

そして僕は――

ダンッ!
「断る。聞くまでも無いぞ、フェイト!」

「やれやれ……悪くない取引だと思うけ
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